2026年10月16日金曜日

第57回全国YMCAリーダー研修会

 全国YMCAのリーダー(指導者)が年に1度集い、学びと交流を深める「第57回全国YMCAリーダー研修会」(主催 全国YMCAウエルネス担当者会/主管 横浜YMCA)が、10月10日〜12日に三浦YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジで開催され、全国から82名が参加しました。今回のテーマは「ゆーすふる(You's Full)」。世界YMCA「Vision 2030」の柱である「Just World(公正な世界)」のもと、ユース一人ひとりの個性とエネルギーを生かした平和な社会づくりを目指して開催されました。 

 基調講演では、日本フィランソロピー協会の髙橋陽子理事長を講師に迎え、「フィランソロピー×わたしたちにできること」をテーマに、市民自立型社会への移行や主体的な関わりの重要性を語られました。プログラム後半のグループディスカッションでは、次のような深まりがありました。

【地域課題の共有と探求】8グループに分かれて全国各地域の課題を共有し、多様な視点から「私たちに何ができるか」を深く議論することで、次の一歩に向けた学びを深めました。

【温かい居場所づくりの提案】「だれもが『素』でいられる居場所作り」をテーマに、手紙で不安を寄せられる「おきもち郵便屋さん」の設置など、本音を吐き出せる環境づくりのアイデアが交わされました。

           

 参加したユースリーダーからは「全国に志を同じくする仲間ができ、自身の殻を破るきっかけになった」「今後の活動に活かしていきます」との声が聞かれ、次の活動に向けた大きな成長の機会となりました。

                              担当 高井・佐藤


2026年10月9日金曜日

ウクライナ支援活動:第44回みどりクラブ

10月のみどりクラブでは、日本のお祭りでもおなじみの料理「焼きそば」を作りました。

今回は、2種類の焼きそば(塩・ソース味)を用意し、参加者のみなさんと一緒に調理をしました。参加者の中には、以前から自宅で焼きそばを作っている方もいて、「こうするともっと早く、おいしく作れるよ!」という自分なりの工夫やコツを教えてくれました。日本人スタッフに見守られながら、順番に材料を炒め、ソースを加え、全体を混ぜ合わせ、できあがった焼きそばをそれぞれのお皿に盛り付けていきました。さらに、キッチンをもっと楽しい雰囲気にするために、ウクライナの音楽も流しました。音楽が始まると自然と気分も盛り上がり、笑顔や会話が増えて、キッチンはとてもにぎやかな空間になりました。

調理をしている間には、コーヒーを用意してくれました。料理に参加するだけでなく、ゆっくりおしゃべりをしたり、気になることを聞いたり、必要な情報を得たり、みどりクラブの図書コーナーから新しい本を探したりと、それぞれが自分のペースで過ごすこともできました。料理が完成すると、大きなテーブルを囲んで食事の準備をしました。焼きそばと一緒に食べると美味しい紅しょうがや青のりなども用意し、みんなで食卓を囲みました。

食事をしながら、日本の文化や最近のニュース、自分たちの趣味、好きな料理、日本でこれまでに食べたことのあるものなど、さまざまな話題について楽しくおしゃべりしました。そして、この日は日本語についてもたくさん話をしました。私たちの中には、日本に来てから4年以上経つ人も多くいます。それでも、日本語の勉強は今も多くの人にとって大切なテーマです。日本語教室に通っている人、日常生活の中で日本語を使う機会を増やそうとしている人、「この表現はどう使うの?」「こういうことを聞きたいときは、どう言えば自然?」と考えながら勉強している人もいます。みんなで食卓を囲んだこの時間は、そうした日本語についての疑問や悩みを気軽に話し合い、自分の経験や知識を共有したり、お互いにアドバイスをしたりする、とても良い機会になりました。

そして、この日はもう一つ、嬉しいサプライズがありました。ウクライナ人参加者の一人が、お父さまのお誕生日を記念して、ウクライナのお菓子を持ってきてくれました。お父さまのお誕生日が、ちょうどこのイベントの開催日だったそうです。そのお菓子を参加者みんなに振る舞ってくれました。
食事を楽しんだ後は、軽く体を動かす時間も設けました。みんなでストレッチや簡単な運動をして体をほぐし、食後の眠気もすっきりさせました。こうして毎回、ウクライナ人参加者と日本人のゲストやスタッフが一緒に体を動かしたり、活動したりする中で、4年間かけて少しずつ築いてきたみどりクラブのコミュニティのつながりを、改めて感じることができます。言葉がすべて通じなくても、一緒に笑ったり、楽しんだり、同じことに挑戦したりすることで、「一緒に過ごすって楽しい!」という気持ちを共有することができます。最後にはみんなで記念写真を撮り、次回のみどりクラブで取り上げたいテーマについてアイデアを出し合いました。そして、お互いにこの温かい時間を一緒に過ごせたことに感謝しながら、今回のイベントを終えました。

(ウクライナユーススタッフ)


2026年10月6日火曜日

2026年度 横浜YMCA多文化共生を考える講座 第一回報告

9月12日(土)、「多文化共生を考える講座」第一回を実施しました。

「多文化共生を考える講座」は、多様なルーツや文化を持つ人びとが、互いの違いを認め合い、ともに社会の中で生きていくために必要なことは何かを考える機会として、横浜YMCA国際・地域事業とNPO法人かながわ外国人すまいサポートセンターが共催で毎年開催している連続講座です。

全4回の講座を予定しており、さまざまなテーマや現場に触れながら、「ともに生きる社会」について参加者のみなさんと一緒に考えていきます。

第一回のテーマは、
「私たちは共に生きることができるのか?外国人の視点から多文化ソーシャルワーク実践を考える」です。

NPO法人かながわ外国人すまいサポートセンター理事長の裵安さんを講師にお迎えし、「すまいサポートセンター」の役割、そして「外国人」とはそもそも誰を指すのか、「外国人問題」とは何なのか、また、外国人が日本で暮らすようになった歴史的背景についてお話しいただきました。

近年では、ヘイトスピーチをはじめ、外国人に対する差別や人権侵害が社会的な課題となっています。

今回の講座では、これまでの歴史や制度について学ぶだけでなく、当事者の方々の声に耳を傾けながら、現在の日本社会がどのような形で成り立っているのか、そして「ともに生きる」ために私たち一人ひとりに何ができるのかを考える時間となりました。

後半には、事例検討にも取り組みました。

「住まい探しに困っている外国人Aさん」の具体的な事例をもとに、その方が置かれている背景や生活上の条件などを踏まえ、「どのような支援ができるのか」「支援する側には何が求められるのか」を参加者全員で考えました。

一人ひとりの背景や困りごとに目を向け、相手の立場に寄り添いながら、ともに地域で暮らしていく大切さを改めて感じることができました。

次回の第二回は、外国にルーツのある青少年の学習支援や居場所づくりに取り組む当事者団体「すたんどばいみー」を訪問し、実際の活動現場を見学するフィールドワークを行います。

参加者のみなさんと一緒に、さらに学びを深めていきます。 次回も、みなさまのご参加をお待ちしています!

(国際・地域事業)


2026年10月5日月曜日

140 years of HISTORY Vol.31 ミャンマーでの医療支援活動

横浜YMCAは1970年代から国際協力募金を実施しています。1991年度には、募金の使途先として世界のYMCAへの援助を開始し、バングラデシュのサイクロンの被害、フィリピンのピナツボ火山噴火、ミャンマーの軍事政権下での貧富格差に対する自立支援などに用いることとなりました。同年11月には、ミャンマーYMCA同盟総主事のリチャード・カイン氏が横浜YMCAを来訪し、イエジンの医療施設建設やアジア学院での研修受け入れ協力について協議しました。

1992年10月には、「第1回ミャンマーボランティアの旅」を実施し、杉本恭之助氏(常議員・国際事業委員長)ら5人が参加し、今後の協力関係を協議し、教育や医療支援の必要性の理解を深めました。これを受けて、翌1993年には、廣瀬誠氏(小児科医で常議員)ら13人が参加し、マンダレー管区のピンマナ町、イエジン村での巡回診療と保健衛生指導を行いました。その後も廣瀬誠氏を中心に、医師、看護師、農業関係者、教師などの専門職やボランティアによる活動が毎年年末年始に続けられました。

ミャンマーの農村にあるイエジン・クリニックで
村人を診察する故・廣瀬誠医師(1993年)



熊本にて

8月末の日曜日、猛暑日の国道3号線は八代市から熊本市街へ向かう車列で渋滞していました。進んだり止まったりを繰り返し景色はゆっくりと流れ、車中ではサザンオールスターズの曲が流れていました。

まるで置いてあるような瓦屋根、家や家財であっただろう廃棄物の山、扉の緑や赤の危険度判定ステッカー、復旧は道半ばと感じました。それでも道は開通し、重機は動き、働く人びとがいました。希望をもって進んでほしいと想いを馳せます。「♪未だ癒えない傷を抱えて長い道を共に歩こう♪深い闇から立ち上がる時 笑いながら夢を抱いて(平和の鐘が鳴る)」

留学生か働いている方か、海外から来られたと思う笑顔で会話している二人連れとすれ違いました。勝手な想像ですが、故郷を離れ災害に遭っても笑顔を絶やさず支え合う姿に感動し「頑張れ」とつぶやいていました。「♪子供らが笑う時 新しい朝が来る 希望を胸に歩き出す 足音よフレー‼フレー‼(明日へのマーチ)」

熊本YMCAの皆さん、YMCAプログラムを再開させ、被災した子どもたちのためのプログラムを企画運営し、そして被災地支援に取り組まれて、本当にお疲れさまです。どうかオンオフを切り替えてリフレッシュできますように。「♪重たいカバン下ろして ♪ようこそここへ♪勇気を出して 笑顔になろう この場所で(炎の聖歌隊 [Choir(クワイア)])」

私たちも心を寄せ、共に祈り、支援に参画していきます。離れていてもつながります。「♪遠く離れ離れの時も「大好きだよ」と嗚呼 口唇に微笑みを Oh…いつの日も乗せて‼(I AM YOUR SINGER)」 

最後に伊藤総主事、「♪栄光にみちた孤独なHERO♪情熱を消さないで♪一人背負わないで(SMILE~晴れ渡る空のように~)」


2026年10月1日木曜日

「YMCAフェスタ~私たち会員の集い~」を湘南とつかYMCAで開催!

横浜YMCAの会員事業委員会は、「会員満足度とサービスの向上」や会員同士の交流・主体的な関わりを目的に「YMCAフェスタ~私たち会員の集い~」を開催しました。当日は213人の参加があり、にぎやかな一日となりました。

開会礼拝では、古賀会員事業委員会委員長より「新たな出会いが平和な社会へつながるように」とあいさつがありました。

最初のプログラム「知りたい! あなたの知らない語学事業」では、語学事業やグローバルキンダーガーテン(英語幼児園)、海外キャンプなどの特色を紹介されました。講師のTodd 先生や平田先生からは事業の特徴や、平和・多様性を育む価値観について説明があった後、英語の歌に合わせたダンスでは親子をはじめ会場全体で楽しく歌い踊り、一体感に包まれました。


「ワクワク体験会」では、アフタースクール、保育事業やアフタースクール、健康教育、専門学校、オルタナティブ、地域福祉の各事業と、ワイズメンズクラブ、国際・地域活動について趣向を凝らした展示や報告を行いました。維持会員による「太極拳体験」にも多くの参加者が集まりました。

「YMCAマルシェ」ではウクライナやタイの手作り品、地域協力によるお弁当などを販売がありました。「YMCAキャンプ!」ではキャンプソングを皆で合唱し、「スタンプラリー&ビンゴ大会」では景品を手にした参加者の笑顔があふれました。



閉会式で佐竹横浜YMCA総主事は、企画・準備・運営した会員事業委員会に感謝の言葉を述べ、「社会課題を自分ごととして捉えていこう」と呼びかけました。

YMCAフェスタを通して、参加者同士の新たな出会いと豊かな交流が生まれ、YMCAの活動への理解を深める貴重な機会となりました。                                  

                               会員事業委員会










2026年9月14日月曜日

【富士山・三浦サマーキャンプ】報告会・おもいで会が行われました

 2026年度富士山・三浦サマーキャンプの報告会とおもいで会が対面で無事に行われました。
キャンプで行ったことを写真をスライドさせて振り返ったり、リーダーと一緒にキャンプで行ったゲームやキャンプソングを歌ったり過ごしました。

思い出の場面を見てふりかえり

ダンスをみんなで思い出して踊ったり、ゲームをしました

キャンプの報告書とパーソナルレコードとして一人ひとりにメッセージを記入したものをリーダーより手渡しをいたしました。

富士山YMCAからあびすけリーダーも来てくれました

「もっとキャンプソング歌いたいな」「来年も絶対キャンプに行きたい!」「今度はスキーに挑戦したい!」など最後は名残惜しむ子どもたちの姿が印象的でした。


保護者の皆様もこんなキャンプ生活だったんですねと改めて子どもたち同士やリーダーとの楽しい雰囲気も見てもらえました。ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

全てのキャンプ報告会・おもいで会を終えて、キャンプリーダーの評価会と感謝会も行いました。キャンプでの気づきや次回やってみたいことなどグループで話し合いをして、さらに良くなっていくキャンプを目指して共有をしました。

次は冬・春のキャンプとなります。
【https://www.yokohamaymca.org/event/2026winter_2027spring_camp/】
またキャンプでお逢いできる日を楽しみにしております。

富士山・三浦キャンプリーダー一同

2026年9月2日水曜日

ウクライナユーススタッフがYMCAとつか乳児保育園を訪問しました

 8月7日、YMCAとつか乳児保育園を訪問し、ウクライナユーススタッフが子どもたちと保護者と交流しました。

 最初に、横浜YMCAでのウクライナ支援活動(横浜市緑区の近隣で暮らすウクライナのみなさんが母国語でつながり合える交流の場「みどりクラブ」など)について説明しました。

その後、参加者の皆さんとの距離を縮めるため、ウクライナの昔話「大きなかぶ」(ウクライナ語版)を紹介しました。おじいさんが大きなかぶを育て、それを土から抜くために、おばあさん、孫、犬、猫、そして小さなねずみまで、家族みんなで力を合わせるというお話です。

この物語には、「みんなで力を合わせれば、一人ひとりの力は小さくても大きな力になり、目標を達成することができる」というメッセージがあります。この考え方は、現在の厳しい状況の中で、私たちウクライナ人にとって特に心に響くものです。

 当日のお昼は、伝統的なウクライナ料理であるボルシチでした。そこで、ボルシチの材料を紹介し、それぞれの材料をどのように切り、どのような順番で調理するのかを、実際に見せながら説明しました。

      

保育園のみなさんが必要な材料をすべて用意してくださり、子どもたちが調理の過程を見られるように透明な鍋も用意してくださいました。子どもたちは鍋の周りに集まり、興味津々な様子で、楽しそうに調理の様子を見ていました。

遊びの時間になると、ウクライナの歌遊び「カメの歌」を一緒に歌いました。音楽に合わせて体を動かしました。

その後は、子どもたちと一緒におもちゃで遊んだり、屋上に上がって水遊びにも参加したりしました。子どもたちは絵の具を使って、水や床、大きな段ボールのキャンバスなどを自由に色付けしていました。足と手を使って、思い思いの絵を描いていました。


子どもたちがこれほど自由に自分を表現し、遊ぶことのできる環境と、そこから生まれる創造的な雰囲気を見ることができ、とても印象的でした。

 

昼食には、みんなでボルシチをいただきました。子どもたちは自分の好きな食べ物を教えてくれました。

私たちは一日を通して、楽しく交流しながらお互いをより深く知り、新しいことを学び、一緒においしい食事を楽しむことができました。ありがとうございました。

(ウクライナユーススタッフ)

小田原市主催の「平和を考える講座」に参加しました

 8月1日(土)と8月18日(火)に小田原市主催の「平和を考える講座」に横浜YMCAウクライナユーススタッフが登壇しました。

以下、ウクライナユーススタッフからの報告です。


8月1日(土)の第1部では、沖縄県の「ひめゆり平和祈念資料館」とオンラインでつながり、沖縄戦についてお話を伺いました。


当時の女学生は看護補助要員として働き、水も食べ物も十分にない厳しい状況の中で負傷した人々の手当てをしていたことについて、資料館の方からお話しがありました。


とても衝撃的な内容であり、戦争が起こる背景は国や時代によって異なっていても、その結果として、多くの人々が苦しみ、時には命を失うことになるということを、改めて考えさせられました。


特に印象に残ったのは、本来であれば勉強をしたり、友人や家族と過ごしたり、将来について考えたりするはずだった若い人たちが、戦争の中で生きることを余儀なくされたことです。それは第二次世界大戦の時代だけの話ではなく、今も世界のさまざまな場所で起きています。


そして、8月18日(火)の第1部では長崎県の「原爆死没者追悼平和祈念館」の方から原爆投下についてのお話しをオンラインで聞きました。

一瞬にして命や街がなくなる様子が目に浮かび、当時の状況を鮮明に感じました。

講演を聞きながら、当時の写真を見ることがとても辛く感じました。


写真に写っているような恐ろしい出来事を実際に経験し、その中で生きてきた、そして今も生きている人びとがいます。戦争は、遠くから見るニュースや写真ではなく、誰かにとっては現実そのものなのだと、改めて感じました。そして、死者数などの数字や統計の一つひとつには、必ず一人の人間がいるということを強く感じます。そこには、子どもがいて、母親がいて、父親がいて、兄弟や姉妹がいて、友人がいます。それぞれに夢や将来の計画があり、当たり前の日常を送っていた人たちです。しかし、ある日突然、戦争によってその日常や大切なものを失ってしまうことがあるのです。



また、8月1日と8月18日ともに第2部では、ウクライナについてお話ししました。


戦争が始まる前のウクライナでの生活、戦争が始まってからの避難の経験、そして現在日本で暮らしている中で感じていることについて紹介しました。また、戦争によって、ウクライナで暮らす普通の人々の日常生活がどのように変わったのかについてもお話ししました。


私たちは自分自身の経験を伝えるだけではなく、参加者の皆さんと一緒に、「平和とは何か」「なぜ今、平和について考え、語ることが大切なのか」について考える時間を持ちました。

参加者からは、平和があるからこそできる、当たり前のようでいて大切なことがたくさん挙げられました。


安心して眠ること、家族と一緒に過ごすこと、日常を送ること、好きなものやおいしいものを食べること、自分の好きなことをすること、学び、教育を受けること、自由と平等があること、外国の人々とも良い関係を築くこと、爆発音を聞くことなく、常に恐怖を感じながら生活する必要がないこと、そして、戦争のない環境で暮らすこと。


平和な国で暮らしていると、平和は当たり前のもののように感じられるかもしれません。しかし、自分の国が戦争を経験すると、平和というものをまったく違った形で考えるようになります。


今回の話し合いの中で、ある参加者が、


「平和とは、朝、恐怖を感じることなく目を覚まし、大切な人たちと一緒に過ごし、将来のことを考え、学び、働き、街を歩き、ただ普通の生活を送ることができること」


と話していました。


私はその言葉に強く共感しました。なぜなら、そこに挙げられていることは、特別なことではなく、誰もが必要とする基本的で大切な生活そのものだからです。


この話し合いを通して、平和とは、決して遠いところにある特別なものではなく、私たちが日々の生活の中で当たり前のように享受している、たくさんの小さな幸せによって成り立っているものなのだと感じました。


今回のような交流の機会は、戦争や記憶、そして平和について考え、語り合うことの大切さを改めて教えてくれます。


8月は、日本では平和の大切さについて改めて考える時期でもあります。そのような時期に、日本とウクライナ、それぞれの戦争の記憶や経験について語り合えたことには、大きな意味があったと感じました。

国や世代によって、経験してきた歴史や戦争の背景は異なります。しかし、安心して暮らしたい、家族と一緒にいたい、未来を考えながら生きたいという、人びとの平和への願いは共通しています。


私たちの経験やウクライナについての話が、日本の社会の中でウクライナやウクライナの人びとについて理解を深めるきっかけになればと思います。そして、このような交流を通して、一人ひとりが平和の大切さについて考えるきっかけが生まれることを願っています。


平和は、それを失ったときに初めて、その大切さを強く実感するものなのかもしれません。

だからこそ、私たちは平和について語り、記憶し、そして日々大切にしていく必要があるのだと思います。

(ウクライナユーススタッフ)

2026年9月1日火曜日

140 years of HISTORY Vol.30 阪神・淡路大震災ボランティア

1995年1月17日、淡路島北部を震源にマグニチュード7.3の地震が発生し、兵庫県南部を中心に壊滅的な被害をもたらした阪神・淡路大震災は、死者・行方不明者6,434人、負傷者43,792人、避難者は30万人(消防庁)を超えました。

横浜YMCAでは、地震翌日に阪神大震災対策本部を設置し、1月18日から募金活動を開始したほか、神戸YMCAや日本YMCA同盟との連携により西宮YMCAへの職員派遣、ボランティアの派遣、文具支援などを行いました。横浜YMCAでは、2月に学生や社会人など17人を第1回として派遣し、YMCA六甲研修センターに宿泊し、全国YMCAからの120人とともに神戸市長田区、西宮市、芦屋市などで支援に当たりました。また現地からの依頼を受け、芦屋市の小学校の避難所を3月まで主体となって運営すべく2グループ計13人を派遣しました。

その後は、全国YMCAが主管となり、建設されたボランティアハウスを利用しボランティアを5泊6日の単位で1回40人を25期にわたり派遣を続けるなど、人びとの直接的なニーズに寄り添う働きを行い、市民や行政から厚い信頼を寄せられました。

炊き出しや物資の配布など
救援活動にあたるスタッフを派遣した



係から

新聞の投書欄を毎日意識して読んでいます。ネット配信の記事やメールマガジンは、閲覧履歴や検索傾向から判断して「これはどうですか」「こんなのもありますよ」と次々に記事の方からやってきますが、自分の興味ないものに触れる機会は少ないです。同じ考えや意見を持つ人たちの集まりの中では、多様な意見を聞く機会は少なく、耳の痛い意見は避けてしまうかもしれません。

新聞の投書欄は、その人の背景や思想、ご自身の日常、社会のこと、感想から意見までさまざまにあります。新たな考えに出会うこともあれば、「そんなことはないだろう」と思うような内容に出会うこともあり、投稿を読みながら「自分だったらどう思うか」あるいは「この人にどう説明するか」などと思い巡らせる時間は、自分の頭で考える良いトレーニングの時間になっています。

さて、7月16日の神奈川新聞投書欄に「係から」とあったメッセージを引用します。「書いた人の憤りは分かるけれど、そのまま載せたら争いごとになりかねない投稿を、最近見かけます。『正しいと思うこと』を行う勇気は必要ですが、文章で相手を非難するときはまず落ち着いて。事態を改善したいのか、相手に気付いてもらいたいのか、投稿する目的を改めて考えてみてください。」たった135文字に相手への理解を示しつつ、持論を述べています。さすが!投書欄係。

これは、発信者が目標を明確にすることが大切であるということです。この「目的の明確化」について2つのことを思い出しました。学生時代にリーダーハンドブックの最初のページに書いてあった言葉として出会っていたこと、職員としてある会議で、言うだけ持論を述べた後に、総主事から「それで、あなたはどうしたいの?」と問われたときのことでした。私の今に至る大切な言葉です。


2026年8月31日月曜日

グローバル・スタディーツアーinタイ2026

今年の夏も、横浜YMCA地球市民育成プログラム「グローバル・スタディーツアーinタイ2026」を8月6日から18日の期間で開催しました。高校生から社会人までの計10名がタイ王国北部を訪れ、バンコクYMCAパヤオセンター、チェンマイYMCAでのプログラムを通してタイの社会問題や環境問題について学ぶ機会となりました。

初日、北タイに降り立った参加者は、タイ北部チェンライ県で、ラオス、ミャンマーとの国境エリアを訪れ、外国資本による開発の状況や、不安定な状況下で働かされる人びとの状況についてバンコクYMCAスタッフより話を伺いました。島国の日本に住む私たちは、川の向こうに見える土地が違う国であるという状況を目の当たりにし、人の移動を引き起こす要因、それによってもたらされる影響などについて考える機会になりました。

タイ・ラオス・ミャンマーの国境「ゴールデントライアングル」 

次の日からは山岳少数民族の子どもたちが共同生活を送っているパヤオセンターでのプログラムが始まりました。子どもたちは参加者を歓迎してウェルカムパーティーを開いてくれました。参加者は事前研修で勉強したタイ語で自己紹介をすることができました。

 
ウェルカムパーティー

子どもたちはツアー参加者の訪問を心待ちにしていて、プログラムを通してたくさんの交流をすることができました。タイ語・日本語交流、パヤオクラフト製作、田んぼでのカニ取り、タイのお正月に行うソンクラン祭(水かけ祭)、日本文化紹介、バレーボールなどお互いの文化を知り、ともに生活をすることで、言葉が通じなくても心と心が通じ合える経験をすることができました。

              子どもたちと田んぼでカニ取り

日本文化紹介

子どもたちが学校に通っている間の時間に、参加者は学びの時間を持ちます。

まず、パヤオセンターについてや人身売買、子どもの性的搾取についてのお話がセンタースタッフからあり、パヤオセンターが設立された背景、センターで暮らす子どもたちはどのような子たちなのかをオリエンテーションとして聞きました。参加者はみんな真剣な表情で話を聞いていました。

別の日にはパヤオセンター周辺の村で実際に、日本での出稼ぎ経験のある女性に話を聞く機会をいただきました。その方の壮絶な話を聞き、私たちは日本で人身売買が行われているということ、それが自分たちにとって身近な場所で行われているということを知りました。想像も出来ない、目を逸らしたくなるような体験を聞き、とても胸が痛みました。

私たちに直接何が出来るか分からないけれど、少しでもこのような思いをする人がいなくなるために周りに話を伝えていくことが必要だと振り返りで参加者から意見が出ました。

 ツアーの中では、山岳少数民族の村を訪れてホームステイをさせていただく機会がありました。

その村では私たちが訪れる次の日から正月になるとのことで、私たちのために1日予定を早めて儀式に使われる10m近くにもなる巨大ブランコを準備していただいたり、伝統衣装を着た方々と一緒に踊ったりと心温まる歓迎をしていただきました。

村のリーダーから、村の歴史や現状を聞き、近代化される地域があり発展させたい気持ちもある一方で「都会ではなく農業をしながら村で暮らしたい」という自然と共に過ごす村に対する愛情を感じた時間となりました。

         山岳少数民族の村      アカ族伝統のブランコ祭り

数日間子どもたちと過ごし、一緒に過ごす最後の夜には子どもたちと涙を流しながらお別れをし、翌日の朝にも最後の挨拶をしてパヤオセンターを出発しました。出発前にタイ語で書かれた手紙やミサンガをくれる子もおり、短い期間で生まれた愛情を強く感じました。

その後、タイ第2の都市チェンマイを訪問しました。チェンマイYMCAが運営する環境教育施設であるサオヒンYMCAでは、タイにおける環境問題について学ぶとともに、環境問題は国境を越える社会課題であること、自分たちの日々の暮らしにも直結していることを学びました。

夜にはナイトバザールで買い物や食事を行いました。一見すると華やかで様々な国から観光に来ている人たちで賑わう場所でしたが、中には障がいがありストリートライブをしている方がいたり、見えないところでは貧困や人身売買の危険性があることを知りました。

最終日には第二次世界大戦時の日本軍慰霊碑への訪問を通して、今につながる戦争と平和について思いを馳せる時間を持ちました。慰霊碑は現地の学校の敷地内にあり、学校で日本語を学ぶ学生たちとの交流の時間もありました。


ナイトバザール

一つひとつのプログラムを通して、参加者の心の中に生じた想いや疑問が、これからの未来を良くしていくきっかけになることと思います。ツアーへの参加を通して、参加者は子どもたちや村の人たちとの出会い、村と都市部の違いから多くのことを学び、考え、気が付く場面が多くありました。タイで起きていることは遠い他国で起きていることではなく、身近に起きていることを知り、自分たちに何が出来るかを考えるきっかけになりました。

まずは学んだことを周りに伝えていくこと、ツアーは終わったけれど、これからが始まりとして社会を良くしていくために自分に何が出来るのかを考え、小さなことを積み重ねていってくれることを願っています。

横浜YMCAはこれからもYMCAパヤオセンターへの支援を続けていきます。その中でこのツアーに参加してパヤオセンターを知り、支援していきたいと思う人がひとりでも増えることを願っています。ツアー実施にあたり多くの支えがあったことに心から感謝いたします。

引率:菅原・栗原

2026広島YMCAインターナショナルユースピースセミナー

 2026年8月5日(水)~8月9日(日)、4泊5日で広島YMCAのInternational Youth Peace Seminar2026に参加しました。

横浜YMCAからは専門学校生6名と引率1名が参加し、全体では40名前後の参加者がいました。日本からは、東京YMCA、横浜YMCA、大阪YMCA、広島YMCAからメンバーと引率者のほかに個人参加のユースも参加し、海外のYMCAからは、インド、ドイツ、台南からも参加者がいました。

今年のテーマは、「Dive in -Different Views,One World- 知る、考える、聴く、行動する、伝えるを繋いであなたの星座をつくろう」です。それぞれ異なる背景や価値観、経験を持ち、世界の見え方も一人ひとり違いますが、私たちは同じ一つの世界を共に生きているという思いを込めています。

以下、活動の様子です。


<8月6日平和記念式典への参列> 














<千羽鶴の献納> ※ウクライナ・オデーサYMCAから送られた折り鶴を献納しました。















<灯ろう流し> 




<グループワーク> 




<宮島観光> 
















<フェアウェルパーティー> 










戦争が決して許されるものではないこと、そして戦争によって多くの人々の命や生活が奪われたことを、私たちは理解しているつもりでした。しかし、今回のセミナーを通して、「知っている」ことと「自分自身が考え、次の行動につなげる」ことは違うのだと感じました。

模擬国連などのプログラムを通して、戦争が起こる原因は何なのか、異なる立場の人々とどのように対話すればよいのか、そして平和を実現するために私たち一人ひとりに何ができるかを考えることができました。


最後に、参加者の感想を抜粋して紹介します。

「一番大切なことは、“その人が平和なら世界は平和になる。”ということです。だから平和とは遠くの出来事ではありません。私たち一人ひとりが小さなことから優しく助け合って生活することが、本当の平和につながります。」


「平和の意味を理解できただけでなく、私の価値観や考え方も大きく変わりました。生きていること自体がより意味深く思えるようになり、周りにいる人々をより大切に思い、尊重できるようになりました。」


「大きなことをすることだけが平和のための行動ではなく、相手の気持ちを考えること、相手の話を聞くこと、違いを受け入れること、困っている人がいたら助けることなど、普段の生活の中にできることがたくさんあると思います。 」


「相手のことを知ろうとすることが平和につながるのだと思いました。」


「平和は遠い場所にある特 別なものではなく、目の前にいる人を大切にすることから始まるのだと感じました。」


「過去の出来事を「覚える」こと。そして、その記憶を次の世代へ「伝える」こと。さらに、平和を「導く」ために、自分自身が何をすることができるのかを考えること。今回の広島での5日間は、その大切さを深く考える貴重な機会となりました。」


豊富なプログラムを通して、参加者一人ひとりが平和について考え、学ぶ貴重な機会となりました。主催された広島YMCA、そして企画から運営まで尽力してくださった広島YMCA国際ユースリーダーの皆さまに、心より感謝申し上げます。



〈2026年広島YPS 引率〉


2026年8月27日木曜日

【熊本地震支援活動報告】現地とオンラインで報告会を開催

最大震度7を観測した熊本地震により、熊本県内では68の避難所に2,840人が避難されています(内閣府防災情報・8月23日現在)。横浜YMCAでは、全国のYMCAとともに「熊本地震YMCA緊急支援募金」を呼びかけています。

熊本YMCAでは被災地支援の方針に基づき、八代市と避難所2拠点を運営する協定を結びました。これに伴い横浜YMCAは、全国YMCAとともに「被災地応援スタッフ(避難所運営のコーディネート)」として、8月14日から長田スタッフ(事業統括・横浜中央YMCA館長)を派遣しました。

8月24日には「熊本地震被災地支援活動報告会」をオンラインで開催し、常議員や運営委員、維持会員、スタッフなど46人が参加し、現地からの報告に耳を傾けました。最初に、熊本地震で命を落とされた方々へ参加者全員で黙祷を捧げました。続いて、山添スタッフ(本部事務局長)より被災状況の概要説明を行った後、長田スタッフが写真や動画を用いて、被災地の現状・課題・今後の取り組みなどの報告がありました。


■ 被災地の現状と避難所運営

現状報告では、ゆがんだドアや建物の隆起、道路の亀裂、家屋の倒壊など、揺れの大きさを物語る写真が共有されました。

YMCAが運営を担う八代トヨオカ地建アリーナおよび八代市鏡コミュニティセンターの避難所の報告では、炊き出しの様子や物資運搬の工夫、運動不足解消のための体操プログラムなどが紹介されました。

また、ボランティアへのインタビュー動画も映しだされ、「自らも被災したが、より被害の大きい八代市へ駆けつけた。避難されている方々が笑顔で過ごせるように支えたい」という温かい思いが語られました。


■ 報告会参加者からの声と今後の課題

参加者からは「報道だけでは分からない現状を知ることができた」という感謝の声のほか、子どもたちの様子、炊き出し以外の食事内容、入浴環境などについての質問が寄せられました。これまでの大震災における避難所運営の課題を活かし、多様な視点から「今何が必要か」をともに考えたいという気持ちがあふれました。


発災から間もなく1か月を迎えるにあたり、今後は避難者の自立支援やコミュニティーづくりへ移行していく時期となります。一方で、高齢者をはじめとする支援の必要な人びとへの対応や、健康維持のための取り組みの継続の必要性が挙げられました。長田スタッフからは、医療や福祉の専門家との連携しながら支援を進めていく姿勢が示されました。

熊本YMCA自体も複数の施設が被害を受けています。被災された方々への募金とともに、熊本YMCAの再建・活動支援も継続して呼びかけることが確認されました。

佐竹博横浜YMCA総主事からは、急な呼びかけにも関わらず、多くの方が心を寄せて参加してくださったことへの感謝が述べられ、「今後もスタッフを継続して派遣し取り組んでいきます。さらに支援の輪を広げていきたい」と述べました。

最後に、被災地の皆さま、熊本YMCAの皆さま、ボランティアの皆さま、派遣されているYMCAのスタッフなど関係者の心身の健康が守られるよう、祈りを捧げ閉会しました。

                                   (広報)


2026年8月16日日曜日

【富士山・三浦】イギリスのリーダーThanks.台湾のリーダー謝謝!

  今年の夏は、富士山・三浦のグローバル・エコ・ヴィレッジにイギリス、台湾のリーダーが1か月滞在して、キャンプサポート、施設整備など大活躍してくれました。日本から海外に行くキャンプもありますが、日本のキャンプに参加しながらも、外国語に触れる機会や交流の機会に恵まれました。

1か月前~元気いっぱいスタートしました!


キャンプ前に、トレーニングを重ね、子どもたちを待っていました! 



 子どもたちと過ごした日々は、忘れられない思い出となりました!


日本のユースリーダー、高校生リーダーと交流し、刺激を受けあっていました!

 グローバルプログラムとして、簡単な挨拶・ゲーム・ジャンケンなどを行い、子どもたちとの交流がより積極的に行われるキッカケとなりました。


 富士山SDGsキャンプでは、「若者のメンタルヘルス」「路上生活者への支援」を通じて、「誰かに助けを求めることは弱さではない」「一人ひとりの小さな行動でも世界をよくすることができる」という大切なメッセージを受け取りました。
 また環境問題や人種・差別の問題など、すこし難しく感じることも歌やゲームを通じて、子どもたちもより深く理解することができたと思います。


 台湾のタピオカティー、イギリスのスコーンは子どもたちにも大人気でした!


 みんな、1か月本当にありがとうございました。いくつか、感想を抜粋します。
「キャンプの子どもに、また来年絶対会おうねと言われたのは最高の思い出です」
「音楽は、文化、人種、年齢、立場などを超えて肩を並べられる魔法だと思います!」
「ここで学んだ経験は、私の中に一生残り続けます!」

 最初は、鳴れない地で不安も大きかったかもしれません。私たちは、共に過ごし、キャンプを行う中で、家族のように過ごすことができたと思っております。共に過ごした家族が、世界中にいると思うと、とっても嬉しい気持ちになります。
 聖書の「平和を実現する人は、幸いです」という言葉にも耳を傾けました。平和をつくるのは、国の指導者や特別な力を持った人だけではありません。私たち一人ひとりが、身近なところからつくっていくものです。年齢も国籍も違う仲間たちが、一緒に活動し、話し合い、互いの考えを聞きながら過ごしてきました。そこには、まさに「平和をつくる」ための小さな一歩があったのではないでしょうか。
 今回の経験が生かされ、それぞれの地での活躍を応援しております。そして再会できる日を楽しみにしております。本当にありがとうございました。
担当:瀬戸、富士山・三浦YMCAスタッフ・リーダー一同より