2026年8月31日月曜日

グローバル・スタディーツアーinタイ2026

今年の夏も、横浜YMCA地球市民育成プログラム「グローバル・スタディーツアーinタイ2026」を86日から18日の期間で開催しました。高校生から社会人までの計10名がタイ王国北部を訪れ、バンコクYMCAパヤオセンター、チェンマイYMCAでのプログラムを通してタイの社会問題や環境問題について学ぶ機会となりました。

初日、北タイに降り立った参加者は、タイ北部チェンライ県で、ラオス、ミャンマーとの国境エリアを訪れ、外国資本による開発の状況や、不安定な状況下で働かされる人びとの状況についてバンコクYMCAスタッフより話を伺いました。島国の日本に住む私たちは、川の向こうに見える土地が違う国であるという状況を目の当たりにし、人の移動を引き起こす要因、それによってもたらされる影響などについて考える機会になりました。

タイ・ラオス・ミャンマーの国境「ゴールデントライアングル」 

次の日からは山岳少数民族の子どもたちが共同生活を送っているパヤオセンターでのプログラムが始まりました。子どもたちは参加者を歓迎してウェルカムパーティーを開いてくれました。参加者は事前研修で勉強したタイ語で自己紹介をすることができました。

 
ウェルカムパーティー

子どもたちはツアー参加者の訪問を心待ちにしていて、プログラムを通してたくさんの交流をすることができました。タイ語・日本語交流パヤオクラフト製作、田んぼでのカニ取り、タイのお正月に行うソンクラン祭(水かけ祭)、日本文化紹介、バレーボールなどお互いの文化を知り、ともに生活をすることで、言葉が通じなくても心と心が通じ合える経験をすることができました。

              子どもたちと田んぼでカニ取り

日本文化紹介

子どもたちが学校に通っている間の時間に、参加者は学びの時間を持ちます。

まず、パヤオセンターについてや人身売買、子どもの性的搾取についてのお話がセンタースタッフからあり、パヤオセンターが設立された背景、センターで暮らす子どもたちはどのような子たちなのかをオリエンテーションとして聞きました。参加者はみんな真剣な表情で話を聞いていました。

別の日にはパヤオセンター周辺の村で実際に、日本での出稼ぎ経験のある女性に話を聞く機会をいただきました。その方の壮絶な話を聞き、私たちは日本で人身売買が行われているということ、それが自分たちにとって身近な場所で行われているということを知りました。想像も出来ない、目を逸らしたくなるような体験を聞き、とても胸が痛みました。

私たちに直接何が出来るか分からないけれど、少しでもこのような思いをする人がいなくなるために周りに話を伝えていくことが必要だと振り返りで参加者から意見が出ました。

 ツアーの中では、山岳少数民族の村を訪れてホームステイをさせていただく機会がありました。

その村では私たちが訪れる次の日から正月になるとのことで、私たちのために1日予定を早めて儀式に使われる10m近くにもなる巨大ブランコを準備していただいたり、伝統衣装を着た方々と一緒に踊ったりと心温まる歓迎をしていただきました。

村のリーダーから、村の歴史や現状を聞き、近代化される地域があり発展させたい気持ちもある一方で「都会ではなく農業をしながら村で暮らしたい」という自然と共に過ごす村に対する愛情を感じた時間となりました。

         山岳少数民族の村      アカ族伝統のブランコ祭り

数日間子どもたちと過ごし、一緒に過ごす最後の夜には子どもたちと涙を流しながらお別れをし、翌日の朝にも最後の挨拶をしてパヤオセンターを出発しました。出発前にタイ語で書かれた手紙やミサンガをくれる子もおり、短い期間で生まれた愛情を強く感じました。

その後、タイ第2の都市チェンマイを訪問しました。チェンマイYMCAが運営する環境教育施設であるサオヒンYMCAでは、タイにおける環境問題について学ぶとともに、環境問題は国境を越える社会課題であること、自分たちの日々の暮らしにも直結していることを学びました。

夜にはナイトバザールで買い物や食事を行いました。一見すると華やかで様々な国から観光に来ている人たちで賑わう場所でしたが、中には障がいがありストリートライブをしている方がいたり、見えないところでは貧困や人身売買の危険性があることを知りました。

最終日には第二次世界大戦時の日本軍慰霊碑への訪問を通して、今につながる戦争と平和について思いを馳せる時間を持ちました。慰霊碑は現地の学校の敷地内にあり、学校で日本語を学ぶ学生たちとの交流の時間もありました。


ナイトバザール

一つひとつのプログラムを通して、参加者の心の中に生じた想いや疑問が、これからの未来を良くしていくきっかけになることと思います。ツアーへの参加を通して、参加者は子どもたちや村の人たちとの出会い、村と都市部の違いから多くのことを学び、考え、気が付く場面が多くありました。タイで起きていることは遠い他国で起きていることではなく、身近に起きていることを知り、自分たちに何が出来るかを考えるきっかけになりました。

まずは学んだことを周りに伝えていくこと、ツアーは終わったけれど、これからが始まりとして社会を良くしていくために自分に何が出来るのかを考え、小さなことを積み重ねていってくれることを願っています。

横浜YMCAはこれからもYMCAパヤオセンターへの支援を続けていきます。その中でこのツアーに参加してパヤオセンターを知り、支援していきたいと思う人がひとりでも増えることを願っています。ツアー実施にあたり多くの支えがあったことに心から感謝いたします。

引率:菅原・栗原