2016年6月27日月曜日

熊本地震緊急支援活動報告Vol.15

第11次派遣スタッフ支援活動(益城町総合運動公園・体育館避難所)
 6月17日から23日まで第11次派遣スタッフとして、内田スタッフ(横浜北YMCA)、茂澤スタッフ(YMCA ACT)が益城町総合運動公園・体育館の避難所において支援活動を行いました。
 内田スタッフは、衛生担当としてボランティアのコーディネートを担当し、館内の清掃を中心に進めました。野外の仮設トイレや仮設シャワーは業者が清掃に入っているため、館内の清掃に加え、なかなか普段あまり手の届かない箇所も掃除することができました。清掃のほか、途中入居される方のダンボールベットの設置も進めました。手の空いている子どもたちにも声をかけて、支援メッセージの掲示や物資コーナーの整理などを手伝ってもらいました。
 茂澤スタッフは、ボランティアと館内レイアウトを担当しました。クーラーの音が気になり眠れない避難者には空いている静かな場所への移動ができるよう手配をし、新たな入居者のためには、マットや掛け布団を運ぶ入居準備などを行いました。
 この週は熊本県をはじめとした地域に大雨洪水雷注意報が発せられ、県内は豪雨が続き、湿度も高く不安定な天気が続きました。それにより、派遣が予定されていたボランティアが到着しないこともありましたが、代わりに大学生のボランティアがボランティアセンターから派遣されることによって運営が進められました。また、土砂災害の可能性がある地域の方々がメインアリーナーに入居されました。新たに入居されるためにマットや毛布のセットをしました。
就寝前や空いた時間に団らんされている皆さんは、「1日1回くらいは笑わんとね!」と明るく話してくださいました。
6月23日からは、佐竹スタッフ(本部事務局)が御船町スポーツセンター、佐藤スタッフ(金沢八景YMCA)が益城町総合運動公園・体育館の避難所において支援活動を行いっています。
(横浜YMCA 広報センター 池田直子)

ポケモンは世界のことば!?

横浜YMCA 地域交流事業「“SHODO” program書道体験」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
6月19日に、ペルー(植物遺伝資源の多様性保全に関する先端科学教育)、ナウル(船舶安全)、モルディブ(船舶安全)、インドネシア(船舶安全)、フィリピン(船舶安全)の研修員が書道にチャレンジしました。
 まず横に「一」そして、縦に線を書いてみて、力の入れ具合とポイントを確認。その後、見本を見ながら漢字や自分の名前をカタカナで書いてみました。
研修員からは「学ぶことができ、楽しく満足しましたが、もうちょっと時間がほしかったです。またこういうものに参加したいです。」との感想があり、小学校でも使うような習字道具セットをほしがっている方も数人いました。
途中、話の中で、皆さん全員が「ポケモン」を知っていて、ナウル、モルディブでもポケモングッズが売っていて有名であるとのことをお聞きし、驚かされることがありました。
クラスの最後には、筆で色紙に名前を書いて、そこに折り紙で作った作品を貼ってY.I.C(横浜国際センター3階のレストラン前に展示することとしました。
参加者は皆、作品ができたことに達成感をもたれたようで、YMCAデスクとしては、今後も引き続き日本の文化体験の場を作っていければと思いました。
(JICA-YMCAデスク 石川 義彦)

2016年6月24日金曜日

南の島から折り紙初体験

横浜YMCA 地域交流事業「”Origami” Program折り紙」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流機会を設けています。
 6月19日Y.I.C(横浜国際センター)で神奈川県青年国際交流機構から来ていただいて折り紙のプログラムを行い、ナウル(船舶安全)、モルディブ(船舶安全)、フィリピン(船舶安全)の研修員たちが参加しました。
はじめに、折り紙についての話と七夕の説明をして頂いた後、祝い鶴と着物(織姫/彦星)を実際に先生に教わりながら一緒に作ってみました。祝い鶴の折り方が難しかったようですが、先生が順番になった展開図などを使って分かりやすく説明下さったので、皆さん真剣な表情で集中して作ることができました。
皆さんの作品の一部はY.I.C(横浜国際センター)3階のレストラン前に展示し、七夕の短冊にも願いを書きました。
 今後も、実際に自ら作ったり、書いたりする文化体験プログラムを行っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク・インターン:魏汝辛、職員:石川 義彦)

2016年6月22日水曜日

草月流生け花にチャレンジ

横浜YMCA 地域交流事業「“IKEBANA” program草月流 生け花」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 6月16日にJICA横浜国際センターでブラジル3(医用材料と再生医療、カイゼンと5S)、フィリピン(船舶と安全)、ドミニカ共和国(カイゼンと5S)、インド(機械工学)の研修員6名が草月流生け花にチャレンジしました。
実家で蘭を育てていらっしゃる方など、花好きの研修員が集まり、日本の草月流生け花を英語で教わりました。草月流の基本である「天、地、人」の話から、西洋と違い、空間の美学を生かした生け花であることを理解しつつ自ら制作してみました。
作成後は作品を各自運んで、Y.I.Cのレストラン前にしばらく展示することにしましたが、それを見た別の研修員からは「まあ、きれい。私もやってみたい~」との要望もありました。これからも、研修員においては文化体験をしてみるだけでなく、作品を展示したりして、見てもらう機会や、自国に帰ってから思い出してやってみることの出来るような、後に残る機会を作っていければと願っています。
(JICA-YMCAデスク 石川 義彦)

2016年6月21日火曜日

熊本地震緊急支援活動報告Vol.14

第10次派遣と長期派遣スタッフ(阿蘇地域)支援活動

 6月11日から17日まで第10次派遣スタッフとして、川本スタッフ(横浜YMCA学院専門学校日本語学科)、石川スタッフ(YMCA三浦ふれあいの村)が益城町総合運動公園・体育館の避難所において支援活動を行いました。
 川本スタッフは、館内レイアウトを主に担当しました。ロビーやアリーナの片付けや館内に混在しているさまざまな掲示の整理をはじめました。ロビーやアリーナは、溜まっていた段ボールや空きベッドが撤去され、過ごしやすい空間となりました。情報掲示板はボランティアの方々と内容を確認しながら分類し、役場や生活、健康・衛生、ボランティア、イベントなどに分けて掲示を行い見やすくなりました。避難所における生活の側面を少しずつ整えることを進めました。
 石川スタッフは主にボランティアの衛生部門の配置やチェック、衛生関連物資の管理、屋外シャワーの受付やキッズルームでの対応などを行いました。
 14日は、前震といわれた地震発生から2カ月が経ちました。地震が発生した21時46分には、スタッフミーティングにおいて黙とうし、熊本YMCAのスタッフから話を伺いました。
 今後は、避難所に避難している方々を含め避難所の生活面を整えていけるよう熊本YMCAや益城町役場の方々と話し合いが行われました。
 6月17日からは、内田スタッフ(横浜北YMCA)、茂澤スタッフ(YMCA ACT)の2名が派遣され、益城町総合運動公園・体育館の避難所において支援活動を行いっています。

◎多くの参加者とともに笑顔あふれた「子どもフェスタかも~ん」
 6月12日に開催された「第1回子ども・家族・地域・未来 子どもフェスタかも~ん」には、雨天にもかかわらずYMCA黒川保育園と阿蘇YMCAの参加者を合わせて150名を超える参加者が来場したほか、学生ボランティアに加えて、ワイズメンズクラブや保育士の方々、近隣のお父さんやお母さん、内牧に拠点を持つボランティアグループZENや南阿蘇村で支援活動を展開しているオープンジャパンの方々も駆けつけ、総勢で200名を超えるイベントとなりました。
フェスタでは、学生ボランティア運営による玉入れや割り箸鉄砲、カードゲームなどに子どもたちが夢中になって遊ぶ姿が見られました。
 ボランティアコーディネーターとして1カ月間、阿蘇YMCAに長期派遣された小林スタッフは、「子どもフェスタでの子どもたちの笑顔に私たちボランティアもとても励まされました。次回以降も多くの方々の協力を得て、多くの笑顔が生まれるイベントを継続していけるようにこれからの阿蘇YMCAに期待したいと思います。12日からは、横浜YMCAのYMCA健康福祉専門学校、YMCA福祉専門学校、横浜YMCA学院専門学校の留学生を含む学生たち11人がボランティアで阿蘇に到着し、子どもフェスタの運営ホランティアを中心として活躍してくれました。本当に嬉しく、頼もしく思いました。学生たちの中には、瓦礫撤去などの力仕事をするものと思っていたかもしれませんが、子どもたちの笑顔を引き出すという大切な取り組みに関われたことを忘れないでほしいと願っています。本当に素晴らしい活動だったと思います。“また熊本に来ます”と話している学生もいて嬉しく思いました」と語っています。
 今後の阿蘇の活動は、①子ども支援プロジェクト({子ども・家族・地域・未来~子どもフェスタかも~ん」の継続実施} ②大人の支援プロジェクト(映画鑑賞会、茶話会、公民館プログラム) ③家族支援プロジェクト(和太鼓コンサート、親子キャンプ、デイキャンプ) ④南阿蘇村支援プロジェクト(黒川地区、立野地区での瓦礫撤去やブロック解体、ゴミの分別作業等) ⑤阿蘇YMCA近隣地区の継続支援 特に高齢者支援などが予定されています。7月以降は、中高生などのワークキャンプも可能な限り受け入れていくことや農業支援プロジェクトも検討されています。人手不足になっているイチゴ農家、トマト農家、ぶどう園の支援活動となります。
 小林スタッフは、「今後も阿蘇YMCAをベースキャンプとして、さまざまな形の支援活動を目的としたYMCAならではのワークキャンプを作っていってほしいと期待しています。ぜひ、また阿蘇YMCAワークキャンプのお手伝いなどができる日を楽しみにしています」と語っています。(小林スタッフ報告一部抜粋)
(横浜YMCA 広報センター 池田直子)

2016年6月20日月曜日

ホームタウンのJチームを応援

横浜YMCA 地域交流事業「Soccer Stadium tour Y.S.C.Cと交流」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流機会を設けています。
 6月12日にサモア(船舶安全)、フィリピン(船舶安全)、アフガニスタン(生命ナノシステム研究)
の研修員で三ツ沢球技場に行き、開港記念試合でもあるY.S.C.C(VS栃木SC)の試合を訪ねました。J3リーグに所属するY.S.C.CチームはJICA横浜国際センターがある、同じ横浜市中区がホームタウンのチームです。
 梅雨のわずかな合間にのぞく日差しに照らされた緑深い三ツ沢公園の中を歩いていくと、突然コンクリートの壁がそそり立つ球技場に出会い、笑顔のスタッフの方々に迎えて頂きました。
まずはスタジアムツアーの開始です。本日はベンチ入りしない21番と30番の選手が一緒に周ってくれました。一般の人は、なかなか入れないグラウンドレベルは、暑さの割に風が流れていました。コーチ?になりきってベンチに座ってみる研修員。一緒に写真を撮ってくれた選手には「ありがとう。だけど次はベンチ入りできるよう頑張ってね」と激励。マッサージ室を横目で見ながらグラウンドに出て、ぐるっと一周。選手の気分で手を振る人もいました。雲が晴れて強い日差しを受けて緑に映えるグラウンドは綺麗に整えられていました。
最後はショップ、屋台を通ってスタンドに上って終了。40分くらいのコースで、ロッカールームなどは準備で使用中でしたので見学できませんでしたがなかなか入れないところを見せて頂き感謝です。
その後、ラマダン中以外の研修員は競技場内のお店でランチボックスを買って、スタンドで休憩。昼には暑いくらいの強い日差しとなりました。試合時間が迫るとスタンドも徐々に盛り上がりをみせ、それぞれのサポーターから太鼓と共に応援の歌が聞こえてきました。
席にはJリーグの村井チェアマンも見かけ、リーグ女子マネージャーの佐藤美希さんがトークと ボールを投げて盛り上げてくれました。栃木からチームバスを借り上げて応援ツアーを組んで来ただけある黄色いサポーター軍団は、ホームチームを圧倒するほどの元気良さ。Y.S.C.Cは中盤のパスはつながってもゴールに向かう、という所では今一つ。健闘むなしく、0-1で負けてしまいましたが、まだまだチームも若く、これからの可能性を感じました。
 試合後はご招待いただいたスタッフの方々にお礼を言って一緒に写真をとりました。
帰りに、公園内に戦後にできた慰霊塔があると知った皆は是非寄ってみたいとのことでしたので、行ってみました。慰霊塔は戦後犠牲者の御霊を安置するものであるとのことでしたが、左の塔 は、先の大戦ではらった大きな犠牲と破壊を表し、右の塔は、将来にむかって発展と恒久平和を念じる塔で、横浜市が積極的に国際交流活動を展開し、相互理解を深め、世界の平和と 発展に貢献していきたいと思いでつくられているという説明を読んで、「今の我々の気持ちだな・・・」と、納得して皆で写真をとりました。
参加者は日本人サッカー選手の名前を誰も知らないくらいの研修員でしたので、初めてスタンドで観るだけでも感激でしたが、グラウンドに入って選手とも出会えて貴重な経験になりました。
Y.S.C.Cは様々な地域スポーツを行っている団体で、ホームタウンがJIC横浜と同じ区でもありますので今後も何か交流ができればと思います。まずはチームの強化を!!FOLZA Y.S.C.C!
(JICA-YMCAデスク 石川 義彦)

2016年6月15日水曜日

墨の技法で描くアート

横浜YMCA 地域交流事業「“SUMIE“Program墨絵」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流機会を設けています。
 6月9日にY.I.C(横浜国際センター)で墨絵のプログラムを行い、インドネシア(船舶安全)、ドミニカ共和国(カイゼンと5S)、ペルー2(植物遺伝資源の多様性保全に関する先端科学、生物圏保存地域を対象にした持続性教育)、ブラジル(カイゼンと5S)、インド(機械工学)が参加しました。
はじめに、墨絵についての話の後、5種類の技法を実際に先生に書いていただき学びました。それぞれが実際やってみると、グラデーションの出し方や水分量が難しかったのですが、数回書くうちにコツをつかみ少しずつ徐々に上手になりました。季節柄、サンプルとして持ってきたアヤメやアジサイを書いてみましたが、時間が経つにつれ、竹や風景画、モスクなど個性溢れる作品が出来上がり、大きな紙に書いてみる人もいました。
最後に希望者は白い団扇に書き込んでオリジナルの団扇を作ってみましたが、そこは先生に書いてもらって記念にした人もいたようです。
各々からお預かりした、作品の一部はY.I.C(横浜国際センター)3階のレストラン前に数週間掲示することとしましたので一度ご覧ください。
YMCAデスクでは今後も日本文化を体験し感じる機会をこれからも作っていきたいと思っています。
(JICA-YMCAデスク 石川 義彦)

2016年6月14日火曜日

総主事コラム ブログ 2016年6月

小さな一灯

大量の支援物資を積む
大型トラックが行き交う中
真っ赤な横浜完熟トマト
電池不要のソーラーランタン
薫り高いドリップコーヒー
載せた小さな車一台が
横浜から熊本へ。
3箱のトマトが千人に
毎日使われるともし火に
コーヒーの香りが笑顔に
小さな思いをつないで
希望のともし火になっている
ともし火を高くかかげよう。

 横浜YMCA熊本地震緊急支援第一陣が運んだ横浜トマトは、熊本の外国人の多い避難所に届いた。600人を超える人々に3箱のトマトがふるまわれた。後で数えたら実は、千人近い避難者だったが、全員の口に入ったという。どうやってと思ったが、なんと炊き出しのカレーに細かく刻んで入れられ、横浜から励ましの思いの詰まるトマトが隠し味で入れられていると各国の言葉で伝えられていた。避難者の中には、トマト入りカレーの写真に、全国の応援を受けて元気だと母国に希望を感じさせるメールを送った方もいたらしい。
 横浜の企業が開発したソーラーランタンは、3カ所の避難所に届いた。電気が復旧しても断水や配管の損傷で、いまだに、屋外の仮設トイレでの生活が続いている。電気が通じていない仮設トイレに電池の補充がいらず、防水も兼ねているソーラーランタンが大活躍で、あふれる物資の中で、暗闇を照らす希望のともし火を輝かしている。
 心折れる日々の中、コーヒーの薫りが避難所に広がり、椅子に座って友人と飲むコーヒーは、日常を取り戻す瞬間で、心の重荷を下ろすひとときとなっている。今では避難者がマスターになり、人々を癒すカフェが続いている。それぞれ、小さな一灯だが希望のともし火となっている。
(横浜YMCA総主事 田口 努)

日本の伝統的な個人邸宅を訪ねて

横浜YMCA 地域交流事業「Japanese traditional private house伝統的個人邸宅訪問」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流機会を設けています。
6月5日にドミニカ共和国(カイゼンと5S)、ペルー2(植物遺伝資源の多様性保全に関する先端科学、生物圏保存地域を対象にした持続性教育)、パラグアイ(生活習慣予防に関する疫学統計)、ブラジル(カイゼンと5S)、アフガニスタン(生命ナノシステム研究)、インド(機械工学)一般参加3名が市内の伝統的個人邸宅を訪ねました。
 梅雨の季節の到来を感じる紫陽花と着物姿の3名の方々に出迎えられ、雨が上がった庭から見学しました。青々とした緑の中にシモツケ、ホタルブクロなどの季節の花を通り抜けると茶室(旧味噌倉)に出会います。 昔と今の使い方を聞きながら見学し、蹲に。手の洗い方を教わり、一人ひとりやってみた後、「雲夢庵」という貴重な茶室の説明を聞いて写真会。茶室に掲げられている表示板が有名な方の書にて書かれてあり一同びっくり。鯉がいる池を通りながら、季節の植物と小さな社や蔵をみながら、玄関に着きました。
玄関では旅館のような風情ある作りと飾りによって迎えられ、主屋内見学に。
時代を感じる旅館のような、赤い敷物の玄関を通って、築125年の家を支える大黒柱について、また生活感あふれる部屋まで見せて頂きました。コタツを見つけたアフガニスタンの研修員は「同じものがアフガニスタンにもあります」との話もでました。
皆が揃ったところで、家主のご趣味である、和毬作りや額に飾られた手工芸の飾り物、そして亡くなったご主人の衣類の布で作った尾形光琳の作品にそっくりな金屏風など、和の趣味の紹介をいただきました。
大広間では、お弟子さんからお茶をたてて頂き、季節のお茶菓子戸とともにお点を堪能しました。お茶の説明をききながらいただき、お茶道具が家元の証明がついたものばかりで、後でかなり高価なものだったことがわかり、一同驚きを隠せませんでした。
場所を移して応接室では、参加者全員が実際にお茶をたててみて、自分でたてたお茶を飲みました。なかなかお茶に空気を通すのが難しい方もいましたが、雰囲気がよく素敵な場所でしたので、一服したら「ここから動きたくないです~。」という研修員も。
最後に応接室では家主から「家」の話を聞いて、多くの質問も飛び交い、楽しい交わりの時となりました。
家主からは「私たち(昔)は、好きとかでなく、合う家柄どうしで親に決められて結婚したので、主人(亡夫)のことは全く好きではありませんでした。でも、家を通して人生の年月を重ね、今でも心の中で愛する主人が生きています。死ぬのは怖くありません。だって愛する夫と再び会えると思うからです。」との言葉に感動して涙する研修員がちらほら。
研修員からは「生活感のある伝統的な個人邸宅に行け、家主の経験から話される言葉に納得、感動しました。お茶を含め貴重な茶人のおもてなしを感じ感謝です。」との感想がありました。
(JICA-YMCAデスク 石川 義彦)