2025年5月27日(火)「…ガザの人々にとって、食事の準備は大きな懸念事項となっています。今日、アメリカとイスラエルの援助物資の配給が始まりました。しかし配給センター付近でのイスラエル軍による大規模な攻撃やパレスチナ人による略奪や窃盗のため、失敗したようです。私や私の知り合いの多くは、このような屈辱的な方法で食料を受け取りに行くことはできません。」5月28日(水)「…電気は2年近くも来ておらず、調理用のガスも燃料もなく、食べる物さえありません。…2年近く手洗いの洗濯をつづけたため、私の手は本当に傷んでいます。」これらはガザで生活をする37歳(日記当時)のサマル・アハマドさん(家族は夫・3男1女)の日記の一部です。2025年4月から11月にかけての約100篇の日記が書籍※になっています。サマルさんの日記には生々しく日々の日常がつづられています。戦火や避難生活の過酷さだけでなく、子どもたちの生命にかかわる健康への不安、子どもたちからの素朴な質問の中にある戦争への恐怖や、答えに窮する親としての悩みなど。中には、「本当につらい」という表現もあり、読むほどに現実を知ることになります。
ニュースやSNSの映像を通してそれなりに知ったつもりでいた内容は表面的なことだと知らされます。「そこ」に生きている人びとの言葉を通して現実を想像し、より深く思いをはせることにつながります。改めて自分たちが平和であることを認識し、置かれた環境に感謝の気持ちを持つことができます。そして祈り、支援をしようという発想や行動につながっていきます。私たち自身が、知ったかぶりの事情通にならないためにも謙虚になり、知ろうとすること、積極的に苦しみの中にいる人に思いをはせる姿勢がまず大事だと、日記を読みながら思います。
(総主事 佐竹 博)