プロ野球2025年シーズンで最も心に残った出来事は、スーパープレーや劇的な展開、新しい指導者像と采配などではなく、ある試合の中継で岡田彰布さんが発したコメントでした。
試合終盤のある回、投手が打たれ交代、続いて登板したリリーフがピンチを招き、ベンチがタイムをかけ、投手コーチがマウンドに行った際のことでした。小走りでマウンドに行った投手コーチはタオルとペットボトルを投手に渡して声をかけました。投手は汗をフキフキ、水分を口に含みコーチの声かけにうなずき、マウンドに集まった内野手たちの励ましに応えていました。
岡田さんはその光景に「今出てきたばかりで何球も投げていない投手に水が必要か?それより、長いこと守らされている野手たちにこそ必要なのではないか」という内容の発言をしました。「タオルと水」は、最近見るようになったように思いますが、全球団しているかどうかわかりませんし、その効果や必要性も「見るだけファン」の私は詳しくありません。投手以外の選手がどう思っているかなども身近に野球のなかった私にはわからないところではあります。一人腕を振って球を投げ続ける投手に対して一息つかせ、間をとる道具として配慮あるサービスなのだろうくらいに思っていました。しかし、水を飲みたいかどうかは別にして、もっと長い間、タオルと水分に接していない他の選手のことは、このシーンをこれまでに何度か見てきましたが、考えもしませんでした。
日々、あらゆる場面での出来事に気づきや学びがあります。当たり前と思い込むのではなく、理由や意図・意義を考え、本当にそうか・必要か、自分たちが誰かを弱い立場にしていないか、などを考えたいと思ったのでした。
(総主事 佐竹 博)