2025年12月1日月曜日

〇〇でない!

キャンプソングを子どもたちと歌うとき、「『この歌知らない子~』と聞くのではなく『この歌知っている子~』と聞きましょう。」と教わりました。知らない人を特定しないのは、知っている人が優越感、知らない人が劣等感を抱かないように、初めてのキャンプが楽しめるようにとの理由は明解で、YMCAのキャンプには随所に思いやりが詰まっていると感じました。この約40年前に学んだことは総主事になった今でも私の根底に根付いています。

先日ある集まりで、私の信頼し尊敬している人が「佐竹さんって〇〇じゃないんですよ~」と紹介されてしまいました。「〇〇でない」とされたことがショックでした。まだ「実は佐竹さんは××ですよ~」のほうが良かったです。その方にとっては〇〇が普通で、〇〇でないことが特別視に値したということです。大げさに言えば、同意なく、私が自分(たち)とは違うということを公開した、という出来事でした。無意識の、悪気のない、場を盛り上げるための一言だったと思いますし、私の〇〇でないも趣味のものですから社会的な影響はないでしょう。

愛の反対は無関心とマザー・テレサは言いました。相手に抱く関心は、この歌を知っているか、〇〇かどうか、ではなく、この歌を知らない、〇〇でなくても、一緒に安心していられるために配慮することなのだと思います。

YMCAは、特に発言や行動に気を付けなければいけません。もちろん私も。知らず知らずに、場を盛り上げようとして、人を対比させ自分と違うことを面白おかしくしていないか。自らを振り返るときとなりました。

                              (総主事:佐竹博)