10月26日(土)、第4回多文化共生を考える講座(かながわ外国人すまいサポートセンターと共催)を実施しました。
今回は、多文化共生をテーマとした映画(移民の記憶 マグレブの遺産 第2部「母」)を鑑賞し、参加者のみなさんで昼食を取りながら意見交換をしました。この映画は、フランスの戦後復興を支えるために、安価な労働力として北アフリカから動員された男性たちと、その後、呼び寄せられた妻や子どもたちへのインタビューを収録したものです。「祖国に帰りたい」という声が聞かれるかと思いきや、大半の人は「私はもうフランス人」「パリは安心」「ここに全てがそろっているのに帰国する理由があるか?」と、移住当初の困難を乗り越え、強く生き抜いてきた様子を見せてくれました。このことは決して遠い国の話でも昔の話でもなく、今の日本でも経験している人がたくさんいるということを私たちは心に留めておかなければなりません。
今回の参加者は7名と少人数でしたが、各国のお菓子やお茶も楽しみつつ、和やかな雰囲気の中で1人ひとりからいろいろな意見を聞くことができました。「多文化共生は今に始まったことではない。日本でさえ"多様な文化を持っているではないか"」という意見があり、それぞれが自分の家のお雑煮を説明したところ、お餅の形から出汁の取り方、具材まで多種多様であることに驚かされました。「国や人種にとらわれず、その人がその人らしく生きられるか、ということが大事なのでは」「1人として同じ人はいない。"同じ"であることの方に違和感を持ったほうがいいかもしれない」といった意見も聞かれました。
4回シリーズで開催した本講座は、各回とも参加者の満足度が高く、充実した学びの時となりました。「多文化共生」の意味するものは、外国籍住民との共生だけを指すのではないようです。いろいろなバックグラウンドをもった人がともに暮らすこの社会で、どんな人との間にも、お互いを認め合い、高め合っていけるような関係性を目指していきたいと思います。
国際・地域事業、横浜中央YMCA 諏訪