2024年8月7日から19日の日程で、グローバルスタディーツアーinタイ2024summerが実施されました。このツアーは横浜YMCAがバンコクYMCAと協働で行っている児童保護プロジェクトの地であるYMCAパヤオセンターやチェンマイYMCAを訪れ、社会問題や環境問題について学ぶものです。
今回のツアーは高校生4名、大学生6名、社会人1名の計11名の参加者と2名の引率で行われました。学びだけではなく参加者同士の関わり、繋がりができるのもこのツアーの魅力だと思います。
8月のタイは雨季でツアー中何度も大雨が降りましたが、ツアー開始となる出発日には、日本でも大雨と雷があり、それにより飛行機が2時間遅延するという幕開けでした。
無事にタイに到着し、初日はタイ、ミャンマー、ラオスの国境付近を訪れました。島国である日本で暮らしていると国境を意識することはあまりありませんが、川一つで違う国に行けるということ、それによる問題などを実際に自分たちの目で見る貴重な機会になりました。
2日目からは国際・地域協力募金の使途先であるYMCAパヤオセンターに滞在し、センターで暮らす子どもたちと様々なプログラムを通して交流をしました。
まず、パヤオセンターについてや人身売買、子どもの性的搾取についてのお話が所長のノイさんからあり、学びの時間を持ちました。パヤオセンターが設立された背景、センターで暮らす子どもたちはどのような子たちなのか、参加者はみんな真剣な表情で話を聞いていました。
その他のプログラムでは、ウェルカムパーティー、田んぼでのカニ取りやプール、タイのお菓子作り体験、タイ語・日本語交流、タイのお祭りといった伝統行事、レクリエーション、食事、スポーツ交流、フェアウェルパーティーなど、どのプログラムも子どもたちと参加者の笑顔が輝く時間でした。言葉が通じなくて、喜びや楽しさを共有できる、そんな経験をたくさんすることができました。
パヤオセンター周辺の村で、実際に日本への出稼ぎ経験のある女性に話を聴きに行区機会もありました。女性の話を聞き、日本で人身売買が行われているということ、それが東京や千葉など自分たちにとって身近な場所で行われているということに他人事ではなく自分事として感じる貴重な経験でした。
また、参加者の多くが楽しみにしていた山岳少数民族のアカ族の村を訪問し、ホームステイをさせていただきました。パヤオセンターで暮らす子どもたちは現在、アカ族とモン族の子がほとんどで、訪れた村ではセンターで暮らす子どもたちの実家もありました。村の人たちは温かく私たちを迎え入れてくださり、アカ族ならではの生活を体験することができました。いっぽう、「どうしてあんなに温かい家族なのにあの子はセンターに来ているんだろう。」といった疑問も参加者の中で生まれ、表面上だけではわからない、もっと深いところに様々な問題がある事を実感する時間でもありました。
パヤオセンターでの1週間を過ごした後、車で3時間のチェンマイへ移動しました。
チェンマイYMCAでは環境問題や第二次世界大戦時の日本のアジア侵略の歴史について学び、環境の為に自分たちにできる事を考え、そして歴史の面においても日本とタイの関係について学ぶきっかけとなりました。
ツアーへの参加を通して、ユースは子どもたちや村の人たちとの出会いから多くのことを学び、気づきがありました。社会で起きていることを自分事としてとらえ、これから社会をよくしていくために、一人ひとりが自分にできることに取り組んで行ってほしいと願っています。
横浜YMCAはこれからもYMCAパヤオセンターへの支援を続けていきます。その中でこのツアーに参加してパヤオセンターを知り、支援していきたいと思う人がひとりでも増えることを願っています。
ツアー実施にあたり多くの支えがあったことに心から感謝いたします。
(引率 油井)