2024年3月31日日曜日

グローバル・スタディーツアーinタイ~ユースがパヤオセンターを訪問しました!

2024年3月10日から21日の日程で、5年ぶりにタイでのスタディーツアーを開催するこ

ができました。このスタディーツアーは、横浜YMCAがバンコクYMCAと協働で行っ

ている児童保護プロジェクト地であるYMCAパヤオセンターやチェンマイYMCAを訪

れ、社会課題について学ぶものです。横浜YMCAの国際・地域協力募金の使途先である

プロテクト・ア・チャイルドのプロジェクトサイトを訪れ、募金がどのように用いられ

ているかを知る機会にもなりました。


参加者は、高校1年生から大学生までの学生・社会人の10名に、引率2名の計12名で北

タイを訪問しました。今回は大阪YMCAや仙台YMCAからも参加があり、参加者同士の

交流も有意義なものとなりました。この時期のタイは1年の中でもものすごく暑く、気

温は40℃近くになる日もありました。


初日にはタイ・ミャンマー・ラオスの国境付近を訪れ、国境を目の前に、人の移動を

引き起こす要因や人の移動がもたらす影響などについて、肌感覚で感じる機会となり

ました。


ミャンマーとの国境の町で


国境・川向こうのラオスの開発の様子


バンコクYMCAパヤオセンターに着いてからは、パヤオセンターの働き・子どもの性的

搾取について所長のノイさんからお話があり、最初にしっかりと学びの時間を持ちまし

た。ウェルカムディナーでは、子どもたちからの温かい歓迎のおかげで、参加者の皆さ

んも緊張がほぐれていったようでした。


                 人身売買についての学び


パヤオセンターにて「ウェルカム」


パヤオセンターにいる間は、子どもたち(小学生)の登校に付き添い学校を訪問した

り、農作業やワーク、スポーツを通して子どもたちと交流を行いました。

日本から準備していったジャパニーズナイト(参加者の出身地紹介、ソーラン節)

日本語の歌を教える日本語交流、タイのお正月(ソンクラーン)ではアイロンビーズ

・魚釣りゲーム・折り紙コーナーを担当し、パヤオセンターの子どもたちにも楽しん

でもらうことができました。


               パヤオセンター卒業生の話を聞く


子どもたちとの交流


この5年間、日本からの訪問、特に学生グループの訪問がほとんどなかったので、子ど

もたちの笑顔から心待ちにしていた様子が伝わってきました。


センター以外では、日本への出稼ぎ経験のある女性に話を聴きに行ったり、アカ族の村

(センターの子どもの出身の村)にホームステイをし、文化風習やその村の課題につい

て伺う機会がありました。



アカ族の村でのホームステイ


夜にはほぼ毎日、参加者での振り返りの時間を持ち、お互いに感じたことや疑問につい

話し合う時間を設け、一見明るく過ごす子どもたちの背景にあるものやパヤオセンタ

ーの子どもたちの直面している課題と似たようなことが、実は日本でも起きていること

に目を向けるきっかけにもなりました。


パヤオセンターを離れる日の朝には数カ月ぶりの雨が降り、PM2.5でかすんだ空気を洗

い流してくれました。パヤオセンターの子どもたちは「お別れが悲しいから空も泣いて

雨が降ったんだ」(モン族の言い伝えにあるようです)という子もいました。センターか

ら数キロ進んだところでは全く降っておらず、局地的な雨のようでした。


チェンマイでは、気候変動や環境問題をメインに学ぶプログラムを行いました。人身売

買や子どもの性的搾取と環境問題は、一見すると関係のないように見えますが、実は関

連があり、いずれも国境を越えたグローバルな社会課題であること、課題解決のための

アプローチとして共通のものがあることに気づかされる機会など広い視野で物事を見る

きっかけになりました。


チェンマイYMCA環境教育施設


出発前までに3回の事前研修では「プロテクト・ア・チャイルド」やパヤオセンターの

働き、タイやメコン地域におけるさまざまな社会課題について、そして横浜YMCA学院

専門学校日本語学科在籍のタイ出身の学生からタイ語やタイ文化について学び、ツアー

に向けて準備しました。事前に学んでいったことの現実に触れて、さらに学びが深まり、

また新たな課題がそれぞれの心の中に芽生えたと思います。最後の振り返りでは、ツア

ーに参加したことが目標達成ではなく、ここから一人ひとりが何をしていくかというこ

とが大事だということを確認しました。


ツアー実施にあたり、多くのお支えがあったことに心から感謝いたします。

                              (国際・地域事業)