「壁」
誰だって
大きな壁にあたって
くじけそうになる時が
あるだろう
でも それは
壁のように見えているけど
もしかしたら
扉なのかもしれない
(二神 達也)
この詩を書いた二神さんは、小学生時代に病気で手足が不自由になり、大きな挫折を経験し、養護学校に通うことになった。障がいがあっても勉強やスポーツなど、さまざまな機会があれば、自分らしく生きていけることを強く感じるようになった思いがこの詩となった。大人になった二神さんは現在、公務員として働いている。
9月は、メダルラッシュで沸いたオリンピックに続き、パラリンピックが始まる。パラリンピックの原点は、第二次世界大戦時にナチスのユダヤ人排斥運動(同時に障がい者の排斥や虐殺もあった)による虐殺などから英国に逃れた医師グッドマン氏が、戦争で傷つき重い障がいを負った兵士たちに、スポーツを通してリハビリを行った。1948年のロンドンオリンピックに行った車いすアーチェリー大会が始まりだ。今では、「機会均等と完全参加」の理念に基づき、どんな障がいや困難にあってもスポーツを通して自分らしく表現できる場を世界に広げる運動となっている。
横浜YMCAでも、10月に障がいや困難にある子どもたちも公平にキャンプやスポーツに参加できる機会を創ろうとチャリティーランが行われる。ぜひ、多くの人にパラリンピックを見てほしい。そして、その感動を分かちあうようにチャリティーランにも参加していただけると嬉しい。壁を超えて次の扉に変える選手や子どもたちを応援しよう。
(横浜YMCA総主事 田口 努)