横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
9月6日(火)にマラウィ1(空港の建設、運営、維持管理計画策定)、インドネシア2(空港の建設、運営、維持管理計画策定)、ペルー2(ユネスコMAB計画による生物圏保存地域対象とした持続性、植物遺伝資源の多様性保全に関する先端科学教育)、ブラジル3(家畜感染症及び人獣共通感染症の診断予防技術、医用材料と再生医療、空港の建設、運営、維持管理計画策定)、の研修員と一般参加者1の9名で、横浜スタジアムで行われた“横浜YMCA熊本・東北復興応援ナイター2016”の横浜DeNAベイスターズvs東京ヤクルトスワローズの試合を観戦しました。
参加者はまず、JICAのロビーに集合し、今回の復興応援ナイターの趣旨と、横浜スタジアムやベイスターズについての説明を聞いた後、横浜スタジアムへ向けて出発しました。
プログラムに参加した研修員の多くは野球のルールもわからないし、試合を観るのも初めてと話していましたが、中には東京ドームへ試合を観に行ったことがありバッティングセンターが好きという人、インドネシアで高校と大学で野球部に所属していた人など、かなりの野球通も数名いました。特に日系人の多いブラジルやペルーでは、日本同様、子ども達の野球クラブが多くあって、野球は日系人の間では大変人気のスポーツだそうです。
また、インドネシアで野球部に所属していたという研修員はインドネシアにはきちんと設備の整った野球場がなくて、野球をする環境はまだまだ厳しいと話していました。
関内の中央YMCA1階総合カウンターで試合のチケットとタオルマフラーを受け取ると、一同は目の前の横浜スタジアムへ。続々と集まってくる観客と球場の中から聞こえてくる歓声に研修員たちの期待はどんどん高まっていきました。
球場の中に入ると既にスタンドは多くの観客で埋め尽くされていました。研修員たちは満席のスタンドにすっかり圧倒された様子で、改めて日本での野球人気の高さを実感したようでした。ブラジルの研修員は、サッカーのスタジアム以外でこれほど大きな試合会場を見たことがないと驚いていました。
観戦中はルールがわからない研修員に知っている研修員が丁寧に説明する姿もしばしば見られました。最初ルールがわからなかった研修員も、ファンの喜ぶ姿でプレーの流れがわかるようになり、応援歌に合わせて手を叩いたり万歳したりするようになりました。また、回が変わるごとに様々な催しがあり、ショーのような演出に驚いていました。
7回前には研修員たちにジェット風船を配り、他の観客と一緒に空へ飛ばしました。初めてジェット風船を見た研修員たちは不思議な形をした風船をどうするのか想像もつかないという様子でしたが、一斉に夜空に舞う無数の風船を見て、美しい!と歓声を上げていました。研修員たちは「何故風船を飛ばすの?」「何故7回なの?」「いつの間にみんなは用意したの?」とまるでマジックのような一瞬の出来事に、興奮気味に話していました。
試合はベイスターズの大勝利で終わり、試合終了後にはヒーローインタビューを見ることもできました。球場の明かりが消え、星のように輝くスタンド、その後に打ち上げられた花火に研修員たちは大喜びでした。
プログラムに参加した研修員からは「野球の試合もとても楽しかったが、観客の盛り上がる姿や色々なショーも感動的でした。試合が終わってもまだどきどきしています」と感想をのべていました。
今回の横浜スタジアムでの野球観戦プログラムは、研修員にとって野球の楽しさとともに日本での野球人気の高さや一喜一憂する日本人の熱い一面、そして復興への思いを知る良い機会となったようです。
YMCAデスクでは今後も日本文化を体験し感じる機会をこれからも作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)