横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
7月7日にケニア(アフリカ上水道)、エチオピア2(アフリカ上水道)、フィリピン(事例から学ぶ沿岸水産資源の共同管理の実践)、ブラジル(医療材料と再生医療)、パプアニューギニア2(事例から学ぶ沿岸水産資源の共同管理の実践)の7名の研修員がJICA横浜内の和室にて、茶道体験をしました。
和室内にある路地にそれぞれ集まっていただき、茶室に入る前に蹲の使い方、寄合での過ごし方などを説明しながら、茶道体験にむけての心の準備をしてもらいました。
当日は七夕という事もあり、日本でお祝いする七夕まつりや物語、歴史についてもお話ししました。
ブラジルの研修員は、母国で日系の人々が七夕のお祭りをするそうでお祭りについては知っていたが、意味や歴史、七夕飾りそれぞれにも意味があることを初めて聞き、とても興味深いと話していました。
また、ケニア、エチオピア、フィリピンの研修員からは「せっかくの日本の伝統的な催しなので、自分たちも正装で参加したい」との申し出があり、急きょ部屋に戻って民族衣装に着替えてきてくれました。
全員がそろったところで、亭主から茶道の歴史、会の目的などの説明を受け、リーダー(正客)の研修員を先頭にあいさつの仕方、お菓子の取り方、茶室への入り方、床の間・茶道具の拝見の仕方などを練習しました。
慣れない作法に緊張した様子の研修員達もお菓子を頂く頃には表情も和らぎ、初めて食べる羊羹の食感に驚きつつ「美味しい」と笑顔がこぼれました。
お茶が運ばれてくると、直前に説明を受けた作法を思い出しながら真剣な表情であいさつをし、人生初のお抹茶を味わいました。「美味しい!」と飲み干す研修委員がいる一方、「にがーい」と顔をしかめる研修員もいて感想はそれぞれ違いましたが、茶葉を丸ごと粉にした抹茶にはビタミンCが多く含まれ体にも良いこと、もともと長寿のお薬として中国から日本に伝わったことを聞き、苦みにも納得していました。
次に隣の部屋へ移動して立礼席にて、一人ずつ交代でお茶を点てる人、運ぶ人、頂く人を体験しました。研修員たちは初めて触れる茶道具に興味津々で、亭主の手元を見ながら真剣な表情でお客様役の研修員の為にお茶を点てました。皆、自分の点てたお茶の出来を少し心配しながらお客様役の研修員の表情を見つめていました。
もてなす側、もてなされる側両方の体験を通して、“日本のおもてなしの心”を実感して頂けた茶道体験プログラムとなりました。
七夕の夜にこのメンバーで集えた“一期一会”に感謝し、参加者そしてご家族の健康を願い、お開きとなりました。帰りには七夕の記念に研修員たちにも短冊に願い事を書いてもらいました。
YMCAデスクでは今後も日本文化を体験し感じる機会をこれからも作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)