うれしいことばではなすとね。
みんながうれしくなってくる。
うれしいことばではなすとね。
じぶんもうれしくなってくる。
「ありがとう」「だいすき」
「がんばろう」「がんばって」
「いっしょにあそぼう」「ともだちだよ」
ほら、みんなでうれしくなったでしょう。(中略)
うれしいことばをしってるかい。
こころがげんきになることば。
「うれしいことばのうた」(きりん組のお友だち)
うれしい気持ちを人に伝えると、それは2倍になり、悲しい気持ちを伝えるとそれは半分に減る。この言葉は、日本にCAP(子どもの暴力防止)プログラムを導入した森田ゆりさんの「気持ちのワークショップ」から生まれた絵本「気持ちの本」の一節だ。
うれしい気持ち。悲しい気持ち、しあわせな気持ち、いやな気持ちなど、自分の気持ちと向き合い、絵に表現したり、話し合ったりすると、随分と友だちを傷つけたりしていることに気付いたりする。
「大切なお母さんや友だちが病気になったらどんな気持ち」と聞かれると、「ことばがでない」「かなしい」「心が痛い」と震えたハートの絵や「…」と点だけを書いたりする。
そのような気持ちと向き合い、そんな時どうするというと「うれしいことばって元気でるよね」と気付く。金沢八景YMCA保育園を卒園したきりん組の子どもたちが、そんな気持ちを冒頭の歌にした。その歌を動画で投稿したら3千回も再生され多くの共感を得た。幼い時に、ケンカもするような仲間とともに過ごす体験の中で、気持ちに向き合い、自分を見つめ、他者を思い、うれしい言葉の大切さを知ったのだ。心を育むうれしいことばを親や大人こそ、子どもたちにかけていきたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)