文房具ありがとう
えんぴつ、分度き、コンパス大切にします。
花のなえありがとう
お母さんとはちに植えました。花が咲くのが楽しみです。
うちわありがとう
あつい時うちわであおいでいます。
くつをありがとう
サッカーの時とってもけりやすくて、
いっしょうけんめい走っています。
(中略)
やきそば作ってくれてありがとう
おいしくいっぱい食べました。
教室にせん風機ありがとう
これで勉強はかどります。
応援の言葉ありがとう
心が元気になりました。
最後におじいちゃん見つけてくれてありがとう
(気仙沼市菊田心 11歳)
東日本大震災から5年目を迎える。津波で家も流され被災した菊田心(しん)さんは、学校が始まると毎日支援物資を持って帰ってきたけれど、感謝の気持ちを伝えることが出来ない思いでいた。2カ月後、行方不明だったおじいちゃんが遠くから来た警察に発見され、涙がいっぱい出たがようやくお別れができた。
全国からの見ず知らずの方々の支援に、何とか感謝の思いを伝えたいと被災者の「ありがとうの詩」(地元新聞・河北新報社)に応募したのがこの詩だ。皆さんからの寄付や送った物品による支援が被災者を勇気づけている。
5年が経ち、風化が叫ばれているが横浜YMCAの募金は、少しだが昨年より増えている。阪神淡路大震災では、5年で仮設住宅は解消したが、東日本大震災では、いまだ仮設住宅も残り、全国で18万人、県内にも約4千人が避難している。震災は終わってはいない。むしろこれから孤立させない、忘れない支援が大切だ。
(横浜YMCA総主事 田口 努)