2016年2月10日水曜日

総主事コラム ブログ 2016年2月

連帯し社会を変える

ダビデの星はユダヤ人にとって誇りを表すしるし
しかしナチスはこの星を
ユダヤの人々を差別するため胸につけさせました。
ナチスが攻め込んできたとき
デンマークだけは差別は広がりませんでした。
ある日、馬に乗った
デンマークの国王の胸には
ユダヤ人と同じ、黄色の星が輝いていたのです。
それを見た国民たちも
同じ黄色い星をつけたのです。
(王様の黄色い星より)

 障がいのある人もない人も、すべての人が、差別や偏見もなく、住み慣れた地域社会で普通に暮らし、共に生きることができるよう環境や制度を整えていこうとするノーマライゼーションという福祉社会形成の理念がある。その理念がデンマークで生まれた背景を聞いたことがある。
 第2次世界大戦中、ドイツ軍ナチスが、ホロコーストといわれる5百万人を超えるユダヤ人を強制収容所に入れ虐殺したが、ドイツが占領した30近い国の中で唯一、被害がなかったのはデンマークだった。弱い立場にいるユダヤ人に連帯してダビデの星をつけた王様の姿に国民たちも連帯したことによるといわれている。
 デンマークの社会運動家バンク・ミケルセン氏も、ナチスへの抵抗運動で強制収容所に入れられた経験を持つ。戦後の福祉施設に携り、自分らしく生きることができない強制収容所と同じではないかと考え、そこからノーマライゼーションの理念が生まれた。
 2月に全国のYMCAで行われるピンクシャツデーもピンクのシャツを着て登校し、いじめられている子に連帯した学生の行動から始まった。弱くされている人に連帯し星をつけた王様のようにピンクを身につけ社会を変える一歩に参加してみませんか。
(横浜YMCA総主事 田口 努)