1977年からYMCA プログラムの領域拡大に特に重点が置かれるようになりました。当時の𠮷村恭二総主事からの報告では「従来の福祉の分野に押し込められていた身体に障がいのある青少年、心理的な障がいのある自閉症に悩む青少年への身体活動の組み立て、家庭教育の中核となる母親に対する学びへの招き入れ、横浜市の特色である貿易、通関業に携わる人びとへの特別教育コースの設定など、いずれも今後の継続した時間のなかで深まりが期待できる活動である」と伝えています。国際プログラムとしては、カナダ、サンディエゴ、東南アジアセミナーへの派遣、光州YMCAへ小学生を派遣するなど活発な動きがありました。日常のプログラムでは青少年をとりまく環境の中心となる家庭の変容に強調点がおかれました。1970年後半から1980年代前半頃まで開発と拡大が行われていました。1970年代の特別に重点を置いた方針のひとつとして青少年リーダーシップの養成があり、1978年には、青少年指導者養成基金が設置されました。これにより毎年一定のリーダーシップ養成が確実になり、さらに海外への派遣も含めてできるようになりました。プログラム領域の拡大としては、日本で最初の試みとして「目の不自由な子どもたちの水泳教室」(1978年)、「情緒障がい児体育指導者夏季研修会」(1979年)などが行われ、続けられました。(文中には当時の表現をそのまま用いています)
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視覚障がい児のための水泳教室(1977年) |