2025年12月23日火曜日

横浜YMCA多文化共生を考える講座 第3回報告

 

1213()、第3回多文化共生を考える講座が開催されました。今回の講座では2回目となるフィールドワークで、神奈川朝鮮中高級学校を訪問しました。参加者は8名、集合場所から歩いて学校へ向かいました。神奈川朝鮮中高級学校では授業見学をした後、校長の金燦旭(キムチャヌク)先生によるお話を聞き、生徒とのディスカッションを行いました。

神奈川朝鮮中高級学校は現在一つの校舎に幼稚園、小学部、中学部、高等部があり今回は小学部の算数や中学部の英語の授業等を見学しました。授業は朝鮮語で書かれた独自の教科書を用いて朝鮮語で行われ、掲示物もほとんどが朝鮮語で書かれており、中には「間違えやすい朝鮮語」をまとめた紙が掲示されるなど授業や掲示物の様子から、朝鮮語を大事にしていること、それが子どもたちのアイデンティティ形成に重要であることがよくわかりました。日本の学校からの編入学で、まだ朝鮮語の授業についていくことが難しい生徒のために日本語も使用しているクラスもあり、朝鮮語、日本語、英語の三言語を柔軟に学ぶことができる環境が整えられていました。

校長の金燦旭先生からは、朝鮮学校(ウリハッキョ:私たちの学校)の歴史、朝鮮学校での学び、朝鮮学校が直面している課題、今後の朝鮮学校についてのお話を聞きました。朝鮮学校やその生徒が排除される社会システムの中でいかにして学校を「守る」のかをどの朝鮮学校もテーマとして掲げている状況に対して、金燦旭先生は「学校は『守る』場所ではなく、『学ぶ』場所にすること」という目標を持ち行動されており、その熱意が参加者に強く響くお話でした。個々人による差別ではなく社会システムとして差別の重さ・苦しさや社会や大衆に「無視」されることの苦しさについてお話をきくなかで、朝鮮学校やその生徒たちについて知ろうとすることはもちろん、出会って終わりにするのではなく、ともに生きていくためには何ができるのかをともに考え行動に移すことの重要性や、私たちが知ったことで発せられる声の影響力について考える必要性に気づかされました。

生徒とのディスカッションでは試験前で忙しい中、高校二年生の生徒が参加をしてくれました。二つのグループに分かれ生徒に質問をしたり、校長先生のお話を聞いて考えたことを共有したりしました。答えがなかなか出ないような質問、話題が多くありましたが生徒たちは丁寧に応答してくれました。質問のひとつ「朝鮮を故郷に感じるのか、遠く感じるのか」に対して、「故郷と言えるかは分からないが自分のルーツでありいつか行ってみたい場所」という返答があり、自分は何者であるのか、といった理解は人びとにとって重要であることを学び、自分のアイデンティティを大事に保持しながら多様な他者とともに生きていくことの価値とその困難さについて考えさせられました。

朝鮮学校を開放し、足を運んでいただくことで地域とのつながりを持つことができるという考えのもと、地域の方に開かれたイベントがたくさんあります。多くの人が参加することで、ともに生きるためのコミュニティが広がるのではないでしょうか。


(国際・地域事業 ユースボランティア)