2025年11月4日火曜日

141 years of HISTORY Vol.20 1984年 創立100周年をともに祝う

横浜YMCAは1984年に創立100周年を迎え、重要な一年として立てた事業方針は、YMCAを守り育ててきた多くの人びとの働きを覚え、感謝すること、イエス・キリストに示された愛と奉仕の業を継承していくこと、新しい時代の課題を明確化し、それに対応する働きを強化する事業構造転換の研究に取り組むことが計画されました。事業計画では、広く地域社会にYMCA運動の輪を広げるために、100周年記念事業の実施、リーダーシップの強化、厚木市でのYMCA活動の定着、健康福祉専門学校設立準備、横浜YMCA100年以降の長期展望を策定することが挙げられました。記念事業は、1.星野富弘「花の詩画展」、2.第1回「中国ともだちの旅」、3.パリ少年合唱団 母と子のふれあいコンサート、4.第10回聴覚障がい青少年国際キャンプ、5.少年サッカー国際フェスティバル、6.姉妹都市青年国際会議、7.創立100周年記念式典が展開されました。記念事業には、多くの人が参加し、YMCAが広く地域社会に知られる機会につながりました。100年の歩みは「仕えられるもの」としてではなく「仕えるもの」としての役割を果たそうと努め、今後もさらに奉仕の業を拡げることを誓う時となりました。

100周年記念事業として開催した星野富弘「花の詩画展」(1984年2月)


左利き×クリスチャン

 私は左利きです。と言っても完全な左利きではなく、箸は右、字を書くのも右、「直されレフティ」です。ボールを投げるのは左、運動機能に関するのは左です。クロールの息継ぎが右なのも左あっての右と勝手に思い込んでいます。日本の左利きの割合は10%だそうです。

日本のクリスチャンは0・8%から1%と言われます。左利きより少ないのですが、YMCAにいると多くのクリスチャンでない方々が「横浜YMCA-私たちの使命」や価値観に共感して、活動してくださっていて、心強く感じます。

YMCAでは、「弱くされている人々・小さくされている人々のために」と、活動の意義を見出すときによくこのフレーズを用います。「弱くされている・小さくされている」は、自分がそうではない側から支援する側にいることを自覚させるものになってはいないか?と自問します。その発想は行き過ぎると分断を助長することになってしまわないか心配なのです。共に生きるために、お互いに(「お互い」この言葉を使うこと自体、2つに分けているのかもしれませんが…)思いを馳せ、思いやりを持って、それぞれに譲り合い、時には我慢して、可能性を見出していくことが必要と考えます。それは、決して割合が多い、少ないではなく、誰かが嫌だと感じたり、困っていたりするなら、そしてそれを多くの人が自分ごとにしなかったら、「小さくした」「弱くしてしまった」となるのだと考えます。

置かれた場所、そしていろいろな人がいることをみんなが知って、理解して、共に生きようと努力することが大切です。決して区別や違いを助長して「分断」させてはいけないのです。

                              (総主事:佐竹博)