2025年4月1日火曜日

柳暗花明

 「どれくらい眠れぬ夜を越え止まない雨に打たれ大人になったろう?」「君よ次代に向けて愛を謳って欲しい」「人を敬いながらいつも守って欲しい」

災害などで思わぬ苦難の中にいる地域・人びとに向けたという曲の歌詞の一部です。すべてにやさしい気持ちと寄り添う気持ちが込められ、歌声とともに心に響きます。歌詞の中に2度「リューアンカメー」と登場する言葉があります。歌詞を見れば、本コラムのタイトルにある4字熟語でした。諸説あるようですが「山が幾重にも重なりあい、川がまがりくねって、この先の路は行き止りかと思っていると、ほの暗く生い茂った柳の向こうに色鮮やかな桃の花に囲まれた村が目の前にあらわれた」という中国漢詩に出展があるようです。暗闇を抜けるとその先に道が開けるという希望の意味として歌詞に登場する意図が伝わります。

新しい年度が始まりました。今年度の横浜YMCA基本聖句は「どうか、あなたがたの心を励まし、また強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように。(テサロニケの信徒への手紙Ⅱ 2章17節)」で祈りの言葉です。今の社会に、希望を見出しづらく、ふさいでいる人がいたら励ましたい。良い方向に進んでいないとあきらめたくなるような社会にあっても人間の力を信じ、希望を持ちたい。自分一人が行動しても、と無力感を感じている人には、志を同じくする人がともにいることを伝えたい。

YMCAに関わる皆さん、この祈りの言葉に励まされ、働きを信じ、社会に地域に、人びとに仕える働きを続けていけるように、この言葉を大切にこの1年間を歩みましょう。

(総主事 佐竹博)