最近「sibling」という単語に出会いました。最近、見るようになってきた性別に関係なく表現した「きょうだい」のことです。日本では障がいのある子どものきょうだいに使用するケースが多いようです。
横浜YMCAでは障がいのある子どもたちを対象にした運動の機会の提供や学習支援、キャンプなどの自然体験活動、ソーシャルスキルトレーニングなどのプログラムを長く実施してきました。これらのプログラムを支援するためのチャリティーランも四半世紀以上実施し、成長した青年向けの就労支援も展開しています。多様性を尊重し、違いを認め、共に生きる社会の実現に向けた取り組みは今も時代に合わせて変化しながら展開しています。
最近では「障がい児プログラム」という表現を「支援を必要とする子どものためのプログラム」「特別なニーズのある子どもを対象としたプログラム」と表すこともあります。主人公か対象者かなどの視点や配慮、思いが、表現と言葉の使い方に現れ、時代の変化とともに試行しながら用いています。
2025年度から湘南とつかYMCAでは「特別なニーズのある子ども」の「きょうだい」を対象としたプログラムを始める予定です。日ごろから我慢をしがちな中にあるのでは、との思いから、リラックスした楽しい雰囲気の中で、同じ立場の仲間と出会い、思いっきり遊ぶ機会の提供と仲間との思いの共有、ピアサポートの機会を設ける取り組みです。YMCAでは初めての取り組みです。今まで長く関わってきた子どもたちの近くにいた子どもたち(きょうだい)へのまなざしを持った企画が生まれてきました。「横浜YMCA-私たちの使命」が具現化されようとしている瞬間なのだと思っています。
(総主事 佐竹博)