6月20日は難民の保護と支援について世界的に関心を高めるために制定された「世界難民の日」に合わせて、6月8日に横浜YMCAグローバルセミナー「難民の?(ハテナ)を話す会」を開催しました。講師は、横浜YMCA国際事業委員・東海大学国際学部非常勤講師・かながわ開発教育センター(K-DEC)事務局長木下理仁さんを迎えて行いました。
セミナーでは、「難民」とはどのような人をさす言葉なのか、また日本の難民受け入れなどに関する木下さんの解説だけでなく、ワークショップを通して参加者自身が、疑問に思うことを出しあったりグループごとにテーマ別で簡単な議論をしたりすることで、参加者それぞれで「難民」について考え、理解を深めました。
はじめに「TAKOトーク」(二人組からはじめ次に、ペアの意見を他の人に紹介するという意見共有の方法)で各々の「難民の?(ハテナ)」を出し合いました。「難民とはどのような人のことをさすのか?」「難民認定が厳しいのはなぜか?」「避難民とは何が違うのか?」などさまざまな?(ハテナ)が浮かび上がりました。自分が何を知らないのか、知りたいのかを明らかにしてから木下さんの解説を聞くことでより分かりやすく深い理解をすることができただけでなく、他の参加者の知識や経験、?(ハテナ)からも得られる知識が多くありました。
後半のグループワークでは、「寄せ書きカフェ」方式(テーマについて気づいたことなどを自由に紙に書いていく方法)で三つのグループごとにそれぞれ「なぜ難民を受け入れるのか?」「なぜ日本への受け入れは難しいのか?」「難民への理解を広めるためには?」について話し合い、自由に自分の考えを書き残しました。どれも難しいテーマでしたが、書いたことで考えを整理し「何が大切か」をまとめることができました。
セミナーの最後に木下さんから「『難民』という『人』はいない。それがアイデンティティーになるわけでもない。“民”と聞くと遠い存在に思えてしまう。『難民』に代わるうまい呼び方はないだろうか。」という話がありました。「難民への理解」にはさまざまな課題が残っていますが、今回のセミナーを通して身近な疑問から「難民」について考えたことで、このセミナーが「難民」を少しでも自分自身と「近い」存在として認識するきっかけとなりました。
(ボランティアリーダー 武田)