11月19日に、横浜YMCA国際事業委員会が主催したグローバルセミナー「食から考える人権~シーフード産業と人身売買~」を開催しました。
齋藤百合子さん(横浜YMCA国際事業委員会委員長・大東文化大学国際関係学部特任教授)を講師としてお招きして、シーフード産業における強制労働、人身売買に巻き込まれる労働者の現状及びその経緯をお話いただきました。
講演では、食卓に上がるおいしい魚の話から始まり、IUU漁業(「違法・無報告・無規制」に行なわれている漁業)の実態、IUU漁業に従事させる労働者の現状につながりました。齋藤さんは、ご自身がバンコクYMCAのパヤオセンター(児童保護施設)を訪れた際の経験や、ドキュメンタリー映画『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇』の登場人物のストーリーにもとづいて、労働者の人権課題、人身取引被害者の支援活動についてお話されました。
元漁船労働者の中には、今現在、支援者として人身売買被害者の帰国、社会復帰活動を行っている方がいます。また、パヤオセンターのスタッフは現地でコミュニティを作り、子どもたちを守るための教育活動に取り組んでいます。
なお、横浜YMCAは、長年に渡り「プロテクト・ア・チャイルド」ファンドおよび国際・地域協力募金の中から支援金を送り、パヤオセンターの活動を支援し続けてまいりました。
質疑応答では、身近な製品に関わる労働者の現状、消費者としてできること、フェアトレード活動、パヤオセンターにおける人身取引防止活動に関心が集まりました。
以下、感想の一部をご紹介いたします。
・シーフード産業における人身売買の深刻さを教えていただきました。これまでフェアトレード活動をしてきて学んだこととはまた違った深刻さ酷い人権侵害を知り、少なからぬショックを受けました。「食」は人が生きるために欠かせないものですが、私たちが生産に関わる人たちを踏み台にして生きていることを、もっともっと知り学び、解決策を考えていかなくてはいけないと思いました。
・今日のお話は初めて聞く内容で、とても驚きました。他に仕事がなく、このような仕事についてしまう危険は多くの人たちにあるのだと思いました。消費者が現状を知ること、そして消費行動につなげ、製品に奴隷労働が使われていないことなどの表示をする声をあげる必要があると思います。
・齋藤先生のお話は、分かり易く、食と人権侵害の実態が大変な状態になっていること、我々も食べる魚の背後に大きな犠牲があることを知りながら、考え行動をしなければならないことに気付かされました。ファストフード、ファストファッション、安い物ばかりを追い求める消費者の考えも変えていかなければと思いました。
(国際・地域事業)
#横浜YMCA
#YMCA国際地域・事業
#バンコクYMCA
#YMCAパヤオセンター
#人権
https://www.yokohamaymca.org/asp-products/a_gogaku_payao/
https://www.yokohamaymca.org/asp-products/thailand/