2022年11月10日木曜日

「平和、平和」

鹿児島YMCAの総主事就退任式に参列した。鹿児島YMCAは2009年創立、会員たちの熱心な祈りと、信仰に基づく行動によって、全国で35番目の最も新しいYMCAとして誕生した。13年間着実に歩み、生え抜きの第二代総主事をこの度迎えた。新しいYMCAで会員と職員が心を合わせ、懸命に活動を行っている姿を見た。

YMCAは規模ではない、東と西でもなくどこでも同じである。横浜YMCAもYMCAを必要としている多くの人に、寄り添うこと、共にいること、気づくことがまだあるはずである。今年度も前半を終え、年度末に向かって折り返した。これからも横浜YMCA会員の熱心な祈りとともに、必要とされていることを適切な方法で提供できるように歩んでいきたいと、鹿児島にて心新たにした。 

翌日はかねてから切望していた知覧を訪れた。特攻平和会館では自らを犠牲にした青年たちの数々の遺品に圧倒され、家族あての手紙に言葉を失った。人間を兵器にした戦術と、それに支えられた戦略の愚かさを改めて思い知るが、同時に指導部には間違いを正す、気づいてやめる勇気ある者はいなかったか、指導部のエリート集団に別案はなかったのかと思わずにはいられない。

この現代においても戦争は起きている。侵攻・侵略の恐ろしさ、守る側も攻撃をする、争いはいつまでも続いている。戦争の終結を願う。

YMCAは11月を平和月間として過ごす。旧約聖書のエレミヤ書は「平和がないのに『平和、平和』という。」と戒める。私たちは今を正しく見つめ、平和をつくり出すこと、つくり出す人を育てることをひたすら行い、平和、平和と声高らかに唱えていく。

(総主事 佐竹 博)