2022年1月31日月曜日

ピンクシャツデー スタッフ研修 「子どものいじめの今を知る~ネットいじめの実態と対応」

2022年1月21日「子どものいじめの今を知る〜ネットいじめの実態と対応」というテーマのもと、ピンクシャツデー・スタッフ研修をオンラインで行い、41名のスタッフが参加しました。

ネットいじめの事例に対応してきた弁護士の和泉貴士さん、細川潔さん、田中健太郎さんを講師にお招きし、それぞれの専門分野から、どのようなネットいじめがあるのか、ネットいじめがあると分かった時の初期対応のポイントや、学校で対応すべきことの法的根拠など、学びを深める時を持ちました。

(参考:『弁護士によるネットいじめ対応マニュアルー学校トラブルを中心にー』講師による共著、2021年秋刊行。)


研修の中で印象的だったのは、ネットいじめは学校から帰った後も、安心できるはずの家にまでついてくるということ、また、ネットの世界に子どもがつながり出ていくことは、現実の世界で小さな子どもがひとりで外を歩き回るようなものだということです。現実の世界では、外に一歩でたら危険がたくさんあるということを理解しているため、大人が常に目を光らせていることがほとんどです。ネットの世界では、現実の世界に比べて子どもを守ってくれる大人の存在が圧倒的に少なく、子どもが無防備に危険にさらされているという意識が、子どもも大人も少ないのかもしれません。ネットゲームには年齢制限があっても守られず、本来の意図とは異なる方法でいじめとして悪用されることもあるということです。

こうした現実の中で、大人がネットの危険性を子どもにきちんと伝えることの大切さを学びました。

また、誹謗中傷など、実際の人間関係では面と向かって発言することは憚られますが、ネットでは相手の顔が見えないこともあり、容易に発言・発信してしまう傾向があります。その一つの投稿により、受け取った人がどんな気持ちになるか想像する力が大切だということと、リアルなコミュニケーションの中で問題解決できる力を小さなうちから身につけていくことが大切だとお話しいただきました。





以下、スタッフの学びの一端を紹介いたします。
・非常に実際的な内容ですぐに役に立つことが多くありました。自分が子ども時代に経験したことのない「ネット」を使ったいじめは、最新の情報を知らないと対応できないと思いました。
・子どもたちが使っているものを「最近のものはよくわからない」で片づけずに仕組みを知ろうとする重要性に気づかされました。
・自分が学生の時もネットいじめがあり、ものすごく身近に感じました。私たちの目に見えない場所でいじめが起きているかもしれないことを頭の中に入れて、子どもの様子を見ていかなくてはいけないと改めて思いました。
・ネットいじめやネットの問題は他人事ではなく、自分自身や身近な人にも関わりがあることなので、今回学んだことを活かしていきたいと思います。
・私たちは「起こってしまってからの」より「起きる前にどうするか」を考えることが多いが、事後処理の方法を知ることで、「起こさない方策」を考えることができるような気がしました。

いよいよ2月・ピンクシャツデー月間になります。
ネットのなかでも現実においても、いじめがない世界をめざし、いじめに悩む人に寄り添う気持ちを行動に移していきたいと思います。

(ピンクシャツデー委員 柳原絵里子)

☆ピンクシャツデーは、毎年2月の最終水曜をいじめについて考える日・いじめられている人と連帯する日として、各地で様々な取り組みが行われています。
しかし、いじめやいじめを引き起こす差別や偏見・不寛容の問題は、日々私たちの身の回りで起きています。
横浜YMCAでは、2月だけでなく日常の中でいじめのことを身近に感じ、小さな取り組みから社会を良い方向に変えていこうと取り組みを進めています。

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