2022年1月12日水曜日

グローバルセミナー「外国につながる若者の就労支援と受け手となる日本社会の課題」実施報告

1月10日(月)、オンライン・グローバルセミナー「外国につながる若者の就労支援と受け手となる日本社会の課題」(横浜YMCA国際事業委員会主催)を開催しました。

横浜YMCA国際事業委員の水田秀子さんによる開会のあいさつ後、メインテーマである「外国につながる若者の就労支援と受け手となる日本社会の課題」講演に入りました。
スピーカーに認定NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)事務局長の高橋清樹さんを迎え、外国につながる子どもたちをめぐる歴史的背景と現状、外国につながる若者のキャリア形成に必要な要素、キャリア支援の事例についてお話をしていただきました。いっぽうで、外国につながる若者の社会参加におけるロールモデルの不足、家庭における諸問題、「家族滞在」在留資格の制限、学校と企業側の認識不足などの課題もあげられました。

後半では、インタビューを行い、外国につながる若者の実際の声に耳を傾けました。

インタビューに協力してくださったのは、ラウフ アルーシュ アアリーさん、西嶋アンジェリカさんです。それぞれ来日経緯、日本語学習で苦労したこと、受験、就職、キャリアの将来像に関する話を率直な言葉で語っていただきました。その他、日本社会と外国につながる若者の相互理解のために期待すること、今後、外国につながる子どもの支援に貢献したい気持ちがあることについてもお話しいただきました。

質疑応答では、学習現場において外国につながる若者が必要としている就労支援、行政における外国につながる生徒たちを対象とした就労支援の状況、また、外国につながる若者がもつ異文化の概念と日本での生活における葛藤および解決策に関心が集まりました。
多様な文化への理解、学習現場でキャリア支援の重要性を感じました。

今回のセミナーは、日本全国から約60名の参加者があり、支援団体、教育現場、外国につながる若者当事者等、多様な視点から感想をいただきました。
以下、感想の一部をご紹介いたします。

・高校入学から就職の過程での様々な支援の実際について詳しく説明していただいて、理解が進みました。多くの関係団体の連携が大切なこともよくわかりました。本人の土台作り、自主性、そして心ある方々の支援が結集して未来が開けるのですね。実際に様々な経験を乗り越えて仕事を得た方々の話もとてもわかりやすかったです。

・高橋先生のお話、インタビューにお答えになったお二人のお話ともにとても勉強になりました。学習支援の場で外国につながる中高生と接していますが、さまざまな専門機関との連携や、在留資格をはじめとする法制度上の問題となど、まだまだ知らなければならないことが多々あることに気づかせていただきました。

・私は留学生で、卒業し日本に就職しました。高橋先生のお話を聞いて、家族の都合により来日した「外国のルーツをもつ若者」と自分の意志により来日した「留学生」の違いについて勉強になりました。

・私も外国にルーツのある子どもでしたが、なかなか体験談を聞く機会が私は無かったので、面白かったです!こういう機会、子どもの頃に経験したかったです。


横浜YMCAでは、これからも身近な社会課題について、皆さまとともに考えていく機会を持ちたいと考えています。

※横浜YMCA国際・地域事業の活動はこちらでご確認ください。

(国際・地域事業)