2021年10月19日火曜日

グローバルセミナー「外国につながる子どもたちの教育―日本の学校・外国学校 現状と課題について―」

10月9日にオンライン・グローバルセミナー「外国につながる子どもたちの教育―日本の学校・外国学校 現状と課題について―」(横浜YMCA国際事業委員会主催)を開催し、63名の参加者とともに、外国につながる子どもたちを取り巻く現状と課題について考えました。

最初に国際事業委員の望月浩明さんより、日本の学校教育の中で、外国につながる子どもたちが直面する課題と、それに対してどのような支援がなされてきたかをお話しいただきました。神奈川県内の県立高校で、長く外国につながる子どもたちの支援を行ってきた望月さんは、公立学校で行われる支援も拡大してきているが充分とは言えず、地域社会で外国につながる子どもたちの学びを支える仕組みの必要性についてお話しされました。

いっぽうで、神奈川県にはたくさんの外国学校がありますが、その歴史的経緯や教育の多様化の背景にも目を向けてお話しくださったのが、もう一人のスピーカーである小貫大輔さんです。

小貫さんからは、外国につながる子どもたちが日本の義務教育制度からこぼれ落ちてしまっている現状について問題提起をいただきました。外国籍の子どもは就学状況調査の対象になっていないということに衝撃を受けた参加者も多かったようです。

外国につながる子どもを含む、日本に生活する就学期にある子どものうち、教育を受ける権利を行使できない子どもがいることを、私たちはどれだけ知っているでしょうか。


ブレイクアウトセッションでは、外国につながる子どもたちを含むすべての子どもたちが教育を受けることができるようにするために、私たちはどんなことができるか、また地域にある外国学校との交流などについて意見交換を行いました。

セミナーの中では、ユネスコユースセミナーの様子も動画を通してご紹介いただきました。いろんなバックグラウンドを持つユースが同じ空間で同じ時間を過ごすこと、そこから生まれるお互いを大切に思う気持ち、違いを認め合いつつ生きるということ、まさにDiversity  & Inclusion の実践の様子をお示しいただきました。

以下、参加者の皆さまの感想をご紹介いたします。

・知らない事が多くあり、今回初めて知ることばかりでした。現状を知ったからには、知らないふりをするのではなく、自分に出来ることは何かを考え小さなことでも行動出来るようにしていきたいと考えました。

・生まれた場所、環境によって、平等に教育が受けられないという現状について、問題意識をもって、知ること、アクションをしていくことにつなげていきたいです。

まずは「知ること」から、そして私たちにできることから行動に移していく。

さまざまな違いを互いに受け入れて、ともに住みやすい社会を作り出していくために、私たち一人一人が小さな取り組みを進めていきましょう。

(国際・地域事業 柳原絵里子)