2021年6月25日金曜日

グローバルセミナー「タイ・バンコクYMCAパヤオセンターの活動 パヤオクラフトと人身売買防止」のご報告

6月12日にオンライン・グローバルセミナー「タイ・バンコクYMCAパヤオセンターの活動 パヤオクラフトと人身売買防止」(横浜YMCA国際事業委員会主催)を開催し、国内外から約85名の参加がありました。

講師は、タイにおける人身売買問題の研究と支援活動に長く携わってきた齋藤百合子さんです。

齋藤さんが出会った一人のタイ人女性のライフヒストリーから、なぜ少女は性産業に身を置くことになり、どのような経緯で人身売買に巻き込まれていったか、日本に連れてこられた後はどんな生活を送り、彼女の人生にどんな影響があって、どのように生涯を閉じたのか―。 

日本で生活しているとなかなか身近に感じることのない人身売買の問題について、タイにおける社会的・歴史的背景、日本との関わりについて学ぶひとときとなりました。

また、バンコクYMCAパヤオセンターの働きについて、横浜YMCAではおなじみのパヤオクラフトを通して、その製作に携わっている子どもたちや村の女性たちのこと、またその背景にある社会課題についてレクチャーの後、質疑応答を行いました。

セミナー終盤にはタイ・パヤオセンター所長のノイさんをはじめ、子どもたちと参加者がオンラインでつながり、コロナ禍におけるパヤオセンターの子どもたちと交流のひとときとなりました。

(参加者感想)
・斎藤先生が、タイの子どもたちを本当に親身に考えて行動されていることが伝わってきました。子どもたちの映像も見ることができ、私にとってもパヤオセンターが身近な存在になりました。パヤオグッズなどを販売する時に皆さんのことを思い浮かべることができるので、力になると思います。ありがとうございました。

・パヤオクラフトについてわからなかったこともあるので、セミナーに参加できてより身近にパヤオクラフトを感じる事ができました。人身売買についての詳細や、体験談を聞き、胸が痛むと同時に貴重なお話が伺える機会をいただいて感謝しています。

・人身売買に関する斉藤先生の具体的、明瞭な説明に改めてよく理解できました。特に最近は、ネットなどにより、手口が巧妙になっていることに、他国の出来事ではなく、身近な何処にでも起きる事を認識させられました。パヤオセンターについては、ノイさんの変わらない元気なお顔と、子どもたちの様子がリアルに見られて、こちらも元気をいただきました。

・パヤオクラフトは、刺繍がほんとに素敵で沢山愛用しております。パヤオセンターが作られた背景、人身売買のお話にはショックを受けましたが、お聞きする事ができ良かったです。1人でも多くの子供たちの未来が輝くものとなるよう、力になることができたら嬉しいです。

☆横浜YMCAとバンコクYMCAの協働プロジェクト「プロジェクト・ア・チャイルド」は1994年に始まり、これまで人身売買の危機に直面する子どもたちへの教育支援、職業訓練等を行ってきた。また、パヤオセンターはタイやメコン流域における人身売買対策において、地域・県・国レベルでの多分野ネットワークのもと、人身売買や商業的性的搾取から子どもや女性を守る働きの推進役を担っている。

国際・地域事業 柳原絵里子)