横浜YMCAの発達障がい児・者の支援プログラムが20周年を迎えた。毎週通う370名の子どもたちに、このクラスはどんなクラスか聞いたところ「友だちといっしょに学んだり、楽しんだり、いろんなことができる場所」「学校ではできないことができ、おもしろいものを発見できる場所」「自分の足りないところやできないところを友だちや先輩リーダーなどがいっしょに答えをさがしてくれる場所」「大家族のような感じ」「みんながいると喜びが湧き出る天国のような場所、家族のようなものです」「私の力を高めてくれる所」「笑いやとまどい、苦あれば楽ありで、本音も言えるし、ざっくり言うと天国です」(20周年誌抜粋)
支援プログラムは、幼児から小中学生の毎週のクラスや高校生や大学生、社会人のための月に一度のクラスがある。社会の中で障がい者が十分受け入れられていない中で、困難な中にいる彼らにとって、自分を理解してくれる仲間やリーダーの存在は、とてもかけがえのない居場所になっていることが「天国」という言葉ににじみ出ている。
保護者の声にも表れている。「あの日聞いたリーダーの話には、子どもたちにより良い人生をという強くて温かい思いと家族への励ましがあふれていました。やっと息子のことを理解してくれる人に会えた!これでなんとかなるかもしれないと涙が出たことを覚えています」「このクラスに通い一番変わったのは、本人よりも『親』のほう」という方も多い。YMCAの活動や勉強会により、できないことを見るのではなく、できることに心を配れるようになり、前向きに転換できる場になっているのだ。そんなポジティブネットのある場を大切にしていきたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)