10月9日にアフガニスタン4(2016・農・横浜市立大学生命ナノシステム科学研究科、建設機械整備及び建設施工技術)、ブラジル1(医用材料と再生医療)の5名で、みなとみらいで開催された横浜国際フェスタに参加しました。
フェスタではイベント広場にて、研修員たちが母国に関するクイズを発表する予定になっていたので、JICA横浜を出発する前にロビーに集合してそれぞれが考えてきたクイズの内容を確認しました。出発直前に急遽参加を決めたアフガニスタン研修員も加わり、持ち寄った写真を使いながらどうやったらわかりやすく楽しくなるかを話し合いました。当日に急遽参加を決めた研修員たちは「アフガニスタンと言えば何がある?」と頭を抱えながら、クイズの資料を作るために慌ててコンピュータールームへ駆け込みました。母国の民族衣装やスポーツ、遺跡の写真など日本人にはあまり知られていないものを使用してなんとか1人3つずつのクイズを考え、いざフェスタの会場へ。
朝からの雨も昼にはすっかりあがり、会場には多くの来場者が集まっていました。ステージ本番の時間まで研修員たちは他のブースをまわって見学したり、写真を撮ったりとリラックスした様子が見られましたが、ステージの時間が近づいてくると表情にも緊張の色が見られるようになりました。
トップバッターは土曜日にも参加したブラジル研修員でした。前日にステージを経験しているだけあって落ち着いた様子でクイズを出題していました。
続いてはアフガニスタン研修員たちでした。食に関するクイズではアフガニスタンでは主食のパンの写真を見せながら「これは肉です。YESかNOか?」と質問しました。日本で見るパンとは全く異なる形・大きさのため、多くの人が答えに迷っている様子が見られました。研修員が「大人の顔よりも大きなサイズのパンを一度に2枚食べるのが一般的です」と話すと、観客はびっくりしていました。その他にも山羊を追いかけて捕まえる伝統的なスポーツに関するクイズや伝統的な楽器に関するクイズなど、アフガニスタン独自の文化にまつわる話題を盛り込んだ問題で会場を盛り上げていました。途中、打ち合わせとは全く異なる問題を出題する研修員がいて司会者も混乱するハプニングはありましたが、ステージは観客の皆さんの温かい声援に支えられ無事に終了しました。
ステージ終了後は研修員お待ちかねのランドマーク展望台見学ツアーへ。研修員たちはギネスブックにも載っている分速750mの超高速エレベーターに乗り、40秒で地上273mのスカイガーデンへ到着しました。天気は曇りでしたが雲は高く、東京スカイツリーまでしっかりと見渡せました。初めて見る上空からのパノラマに研修員たちは大興奮で、望遠鏡をのぞいたり写真を撮ったりして、普段は見ることのできない景色を楽しんでいました。横浜周辺しか知らないアフガニスタン出身の長期研修員は遠くに丹沢山地の稜線を見つけ驚いていました。横浜周辺は高いビルが多くてなかなか山を見ることが出来ないが、日本の国土の70%近くが山地だと聞くと、故郷に似ていると喜んでいました。「京都には山がありますか?宮崎はどうですか?」と日本の他の地域にも興味がある様子で、日本の知らない姿を是非出かけて行って自分の目で見てみたいと話していました。丹沢や箱根の山並みに遠く離れた母国の山々を重ねているようでした
土曜日、日曜日と二日続けてインターナショナルフェスタのステージでクイズを披露しましたが、研修員の国の数だけクイズの話題も様々で、国際色豊かなクイズ大会となりました。研修員たちは嘘をつくのが苦手なのか、答えが“NO”になるクイズを考えるのに苦労していたのが印象的でした。
YMCAデスクでは今後も様々な体験を通して地域の人々とのふれあいや日本の文化を体験できる機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)