2015年8月10日月曜日

総主事コラム プログ 2015年8月

「語り継ぐ夏」

わたしたちの平和宣言?
私たちは、戦争を体験していません。
しかし、私たちは戦争のことを知っています。
戦争の怖さ、恐ろしさ、悲惨さ、
語り継がれてきたからこそと思います。
「平和」とは何でしょうか。
争いがないこと。
いじめや暴力、犯罪や貧困、飢餓がないこと、
安心して学校へ行けること。
今の私たちにできることは、
当たり前のように過ごしている日常に感謝すること。
自分だけでなく、他の人を思いやること、
そして、広島で起きた事実を学び、知り、考え、
そのことを一人でも多くの人に伝えていくこと。
私たちは、あの日苦しんでいた人たちを
笑顔にすることはできません。
しかし、自分の目の前にいる人たちを
笑顔にすることはできます。
これから生まれてくる、未来の人たちを
笑顔にすることはできます。
(兵庫県味間小学校6年抜粋)

 3年前に、卒業前の学習発表会で6年生全員が読み上げた平和宣言だ。他に3つの詩が読まれた。1年間、平和をテーマに学び、2学期には広島への修学旅行で学び、各自が感じた言葉で詩を書き、それをまとめたのが、この宣言だ。
 一つの詩には「戦争を始めるは人間。戦争を止めるのも人間、あの日の事実を知り、覚えているなら止める人になってほしい」とある。子どもたちが広島で原爆の悲惨さ、戦争体験者の声を聴いて考えた率直な思いが綴られている。
 戦後70年の夏、広島、長崎、終戦と記念日が続く。過去の事実と向き合い、過去を知り、学び、伝え、行動する大切さを思う。未来の人を笑顔にするために。
(横浜YMCA総主事 田口 努)