3年前、知覧特攻平和会館を訪れました。若くして亡くなった兵士の方々の、辞世の句や家族への遺書など肉筆の数々とその内容は、今生きていることの意味を問われているように感じました。
飛行学校教官だった藤井一さんは、育てた少年飛行兵が次々と特攻隊として命令が下る中、自らも志願しますが、当時は家族があるものは特攻に採用されなかったそうです。教え子に死ぬ訓練をして送り出すことに苦悩する様子を見た島田さんの妻は「後顧の憂いにならぬように、先に」と子どもともに川に身を投げたそうです。そして島田さんも特攻で亡くなられました。※
佐藤新平さんが母にあてた日記の中には、子どものころ母より「今日の良き日をお守りください」「今日の良き日をありがとうございました」と毎日神様に祈るように言われた思いが書かれていました。※
今も世界の各地で争いが絶えません。先日、横浜YMCAを訪問された東エルサレムYMCAのピーター・ナシル総主事から今起きていることを教えていただきました。横浜YMCAの本部事務局にウクライナの戦火から逃れてきて母国にいる家族の安全と毎日の生存を祈りながら、懸命に働き、生きている若者がいます。
平和を祈る讃美歌のフレーズが頭の中で繰り返されます。「憎み、あらそい、後を絶ちて、平和と愛は 世界に満ち、み旨の成るは いずれの日か。『来たらせたまえ、主よ、み国を』。」(讃美歌21 494)「このこどもたちが 未来を信じ、つらい世のなかも 希望にみちて、生きるべきいのち 生きていくため、 主よ、守りたまえ、平和を、平和を。」(讃美歌21 371)。平和を想い、祈る夏を過ごしています。
※『新編知覧特別攻撃隊』高岡修 ジャプラン」
(総主事:佐竹博)