5月3日、ウクライナのみなさんのためのフリースペース「みどりクラブ」が十日市場地域ケアプラザで行われました。当日は17名の方が、ピアス作りや百人一首かるたで坊主めくりを楽しんだり、母の日ということで子どもたちはメッセージカードを作ったりして過ごしました。そして参加していたナタリア・パラモノワさんが、横浜YMCAのサポートに感謝し、ひとつのエピソードを聞かせてくれました。
ナタリアさんは69歳、横浜市内で避難生活をおくっています。娘のオクサナさんと一緒にウクライナの伝統的なモタンカ人形を作ったり、さまざまなバッグや手袋などを縫ったり編んだりして過ごしています。横浜YMCAでは、手仕事の得意なウクライナのみなさんの支援として、また日本の人びととの交流もできるようにと、手作り品を販売する機会を設けています。3月19日に開催されたウクライナ支援イベント(主催:KDDI南関東総支社)では、横浜YMCAはバザーブースを設け、ウクライナの7名の人びとと一緒に手作り品等を販売し、多くの人に購入いただきました。ナタリアさんはその売上をウクライナに住む夫に送りました。2人は動物が大好きで、ウクライナの家では「ニューシャ」という名前の猫を飼っています。ロシアがウクライナに本格的に侵攻して以来、町には残念ながら飼い主のいないペットたちが増えていきましたが、2人は常に、そのペットたちの世話も忘れてはいませんでした。ナタリアさんがバザーで得た収益で、2人はウクライナでホームレスとなっているペットたちに、良質なフードや缶詰をたくさん買うことにしたのです。ニューシャは真っ先に試食して、その良さを実感したそうです。
「ウクライナで戦争が始まった当初から、傍観していることはできないと自分にできることを考えていました。占領下でもあきらめず、防護服を縫い、多くのウクライナ人と一緒にカモフラージュ・ネットを織り、人道的な目的で毛布を縫いました。このような恐ろしい時代に、避難してウクライナから遠く離れている自分にとって、祖国を助ける機会があることをとてもうれしく感じています。横浜YMCAのみなさんの優しさと配慮、バザーの機会を実現してくれたことへの限りない感謝を伝えたいです。」
横浜YMCAでは、ウクライナのみなさん一人ひとりが自身の持つスキルや知識で自分自身を表現したり、日本人と交流を持ったり、自己肯定感の向上にもつながることを願い、横浜YMCAで行われるバザーなどにも招待しています。
(ウクライナ支援担当:リリア・ゴルロ)