2023年2月12日に、横浜YMCA国際事業委員会主催によるグローバルセミナー「ユネスコの性教育の提案:親子の会話にいかせること」を開催し、東海大学教授の小貫大輔さんを講師としてお招きし、お話を伺いました。
セミナーでは、まず性をめぐる親子の会話における質問の事例を上げ、子どもの年齢層に考慮し質問に答え、家庭で話やすい雰囲気を作ることが大切だとお話がありました。インターネットが盛んに利用されている時代こそ、家庭で親子の会話を通して性教育を行うことが大事であると考えられています。
続いて、これまでに日本と海外で行われたプロジェクトやワークショップの経験を振り返り、国際的にも主流となってきている「包括的セクシュアリティ教育(CSE)」の8つの提案のポイントを紹介しました。従来の性教育の観点だけではなく、人権や文化、ジェンダーといった多角的な視点でアプローチし、性のことをポジティブな面から捉えることが、子どもの健康な成長と幸せにつながっていきます。
今回のセミナーには、子育て中の保護者の方や教育支援活動に携わっている方々が多く、包括的性教育への関心の高さが伺えました。
以下、参加者の感想の一部をご紹介いたします。
・性教育とは若い世代への教育ではなく我ら親、祖父母の世代の問題で、その社会、価値観、文化を変革しなければならない、しかも日本がひどく遅れていることがよく理解できました。
・「親子の会話にいかせる」という視点が斬新で、とてもわかりやすく、非常に興味深かったです。意見の押し付けがなく、みんなでもっと話し合って考えていこうという姿勢が素敵でした。
・自分が思春期時代のときより今の子たちは性に関する情報が玉石混交で簡単にアクセスしやすい状況の中でどう伝えればいいのだろうと思って参加しました。私は親からオープンな性教育を受けていないので試行錯誤しながらですが、子どもには普段からより話しやすい環境にできるよう愛情を持って接していきたいなと改めて感じました。
(国際・地域事業)