2016年11月11日金曜日

富士の恵みに感謝して

横浜YMCA地域交流事業「Fujinomiya Field Trip~It’s a great blessing of nature~(富士宮フィールドトリップ~富士山の大いなる自然の恵みを訪ねて~)プログラム」実施のご報告
 横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 11月3日にトーゴ1、ベニン1(事例から学ぶ沿岸水産資源の共同管理の実践)、ミャンマー1(電気・電子工学博士1)、パキスタン1(職業能力開発行政)、ガーナ1、トルコ3、アフガニスタン1(社会基盤整備における事業管理)、インド2(Friendship 慶応博士課程)、インドネシア1(機械・製造工学博士)、マレーシア1(機械工学)、ペルー1(植物遺伝資源の多様性保全に関する先端科学教育)の14名で富士宮フィールドトリッププログラムを行いました
 当日は朝から天気も良く、絶好の富士山日和でした。富士宮へ向かうバスの車内では初めて顔を合わせる研修員もいたので簡単な自己紹介をしました。それぞれが名前、出身国、研修内容と趣味を話しました。スポーツ全般が好きな人、散歩が好きな人、水泳が得意な人と色々な趣味がありましたが、「YMCAのプログラムに参加するのが私の趣味です!」と答えた研修員には他の参加者からも「それなら私も‼」と声がかかり、車内で歓声が上がりました。
最初にアサヒ飲料富士山工場を訪問しました。こちらの工場では地下250mからくみ上げた富士山の天然水を使ってミネラルウォーターを始め、様々な飲み物をフルオートメーションシステムで製造していました。まず製造工程についてまとめた短いビデオを見た後、工場へ移動し実際に飲み物が抽出、ボトル詰め、梱包までされる様子を見学しました。工場内には機械のメンテナンス以外の人の姿はほとんどなく、すべての工程が完全に機械でコントロールされている様子に研修員たちは驚いていました。アサヒ飲料の主力商品でもある“十六茶”の紹介コーナーでは、お茶のもととなる16種類の材料が手に取って見ることが出来、研修員たちも実際に触ったり、匂いをかいだりしていました。皆初めて見る材料に興味津々といった様子でした。
また富士山工場では100%のリサイクルを達成しているそうで、飲料の材料は家畜の飼料やたい肥へ、資材の廃棄物は工場で着用されている制服へと再利用されていると聞くと、研修員たちは驚いた様子で展示されている制服を触って生地の肌触りを確認していました。実際に羽織ってみた研修員があまりの着心地の良さに、自分用に購入できないか質問する姿も見られました。工場見学の後には“何でも無料で出てくる魔法の自動販売機”から一人1本ずつ飲み物をプレゼントしていただきました。多くの研修員は見学の途中で見た十六茶を選んでいました。大変気に入った様子で、初めての味だけど飲みやすくて美味しいと話していました。
アサヒ飲料工場見学の後は富士山YMCAへ移動し、施設の説明を聞いたあと、研修員お待ちかねのバーベキューを楽しみました。バーベキューでは火おこしから自分たちで行いました。3つの鉄板のためにトルコチーム、アフリカチーム、アジアチームがそれぞれ工夫を凝らして木を組み、火を起こしました。研修員たちが自由に食べられるように鉄板を野菜のみ、野菜とシーフード、野菜とチキンに分け、調理も研修員たちが協力して自分たちで行いました。日本スタイルの鉄板焼きは研修員たちに大好評で、特に焼きそばは“ジャパニーズスパゲティ!”と呼ばれ、あっという間に無くなりました。焼きそばソースの味も気に入った様子でみんなきれいに完食していました。食後のデザートにと持って行った干しいもを焼いていると興味津々な様子で再び研修員たちが集まってきて、焼き上がりを待っていました。こちらもあっという間になくなりました。素朴な甘さが美味しいと好評でした。
 バーベキューの片付けも研修員たちの協力で早く終わり、昼食後はYMCAキャンプ場の広大な野原で富士山を眺めながらのんびりとくつろぎました。お天気にも恵まれ、日本人でもこれほど美しい姿を見ることはなかなかないというほど美しい富士山を前に研修員たちはリラックスした様子で寝転んだり、写真を撮ったりと時がたつのを忘れて思い思いに大自然を楽しんでいました。あまりの気持ち良さにキャンプ場に泊まりたい!と研修員たちもいました。
YMCAキャンプ場を後にし、最後に白糸の滝を訪れました。名前のとおり富士山からの湧水が糸のように幾重にも流れ落ちる滝の様子は荘厳で美しく、言葉を失うほどでした。研修員たちもマイナスイオンをいっぱい浴びて、心も体もリフレッシュしたようでした。
今回のツアーで富士山の景色の美しさはもちろんのこと、富士山の恵みでもある水と人々とのつながりを学ぶことが出来ました。研修員たちにとっては富士山がこれほど日本人に尊ばれ、大切にされているのかを理解するよい機会となったようです。
 YMCAプログラムでは様々な体験を通して日本の自然や文化を学ぶ機会をつくっていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)