横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
8月6日(土)にブラジル1(医療材料と再生医療)、ペルー1(植物遺伝資源の多様性保存に関する先端科学教育)の2名で石川小学校キッズクラブにて、母国の文化や生活について話をした後、小学生達と一緒に遊んで交流を深めてきました。当日は夏休み中ではありましたが、6歳から9歳の学童に通っている小学生4人とスタッフ2名で、ドミノで文字を作って迎えてくれました。これには研修員たちも大喜びでした。
子ども達は少し恥ずかしそうな表情を浮かべながらも外国から来た研修員に興味津々で、積極的に話しかけていました。
最初はペルーの研修員が子ども達にも理解しやすいように写真や地図を使い、ペルーをアマゾン、高原、海岸沿いの3つのパートに分けて気候や地理、文化や食事について説明しました。ペルーにしか生息しない動物の写真を見せると子ども達からは「かわいい!この動物はどれくらいの大きさなの?」と質問があがりました。
食文化の話で研修員が野生のネズミの肉を使った料理が有名な地域があると説明すると、子ども達は口を押さえて驚いた表情をしていました。子ども達からの質問タイムでは、「一番好きな食べ物は何ですか?」と質問があり、すぐにパソコンで調べてペルーのドーナツ風お菓子と、ソースの素になる果物の写真を見せて説明してくれました。
次はブラジル研修員の話です。研修員も日系人ということもあり、まずはブラジルには日本に家族のルーツを持つ見た目にも日本人そっくりの人々が多くいることや、日本と同じ行事が多く開催されることについて、写真を使って説明しました。子ども達はブラジルの子供の写真を見せてもらうと「本当だ。日本人みたいな子がいっぱい写ってるね」「この子の持っているおもちゃ知ってるよ!私も今度買ってもらう」と覗き込んで見ていました。
当日はリオオリンピックが開催された日だったので、研修員はオリンピックマスコットが描かれた帽子をかぶってオリンピック・パラリンピックのマスコットには自然を大切にしよう!絶滅しそうな動物を守ろう!という願いがこめられていることを説明しました。
また、ブラジルで実際に使われている紙幣を持ってきていて、子ども達に見せていました。ブラジルの紙幣には絶滅しそうな生き物が描かれていて、「この動物たちのことをみんなで守るためにお金にも描いています」と説明すると、子供達は身を乗り出してお金を透かしたり動かしたりして描かれている動物を真剣に見ていました。
研修員たちの話の後は子ども達が得意のお手玉やこま回しを披露してくれました。歌いながら上手にお手玉をする子どもに研修員は「上手ですね。たくさん練習したの?」とびっくりして聞いていました。コマを回して紐ですくい上げる子どもには「ちょっと待ってください。すごい技ですね!もう一度見せてください」とカメラをかまえていました。
それから学童のスタッフが用意してくれた白玉団子を子ども達と一緒に食べました。また、ブラジル研修員が持ってきた“ジャブチカバ”というフルーツのジュースも一緒に飲みました。子ども達からも好評で、あっという間に飲み干す様子を嬉しそうに眺めていました。白玉団子を初めて食べた研修員は「お団子は何からできていますか?ソースもとってもおいしいです。私、これ好きです!」と喜んでいました。
研修員は日本の学童のシステムにも大変興味を持ったようで、「働く親にとっても、子ども達にとっても安心して過ごせる場所があるのは素晴らしいですね。子ども達が楽しめるイベントを色々と考えているスタッフの方々も素晴らしいです。」と感心していました。短い時間でしたが日本の小学生と直接触れ合える楽しいひと時となりました。
今後もYMCAデスクではこうした活動を通じて地域の方々と研修員の交流する機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田 真由美)