先日の衆議院選挙で議席数を4倍に伸ばした党は「政策の訴えが際立っていた」との分析がありました。与党に対して「NO!」という否定的なアピールの党が多かった中で政策メッセージはかなり効果的だったと思います。
これは特に若者に響いたようです。出口調査等の分析によると、その党の支持率は20歳代では与野党で最も多い26%、30代でも与党とほぼ同率で野党トップの21%でした。これが40代以上になると支持率はガクッと下がり、「NO!」を前面にした党が多くなります。実際の投票者数と世代別の割合とは比較できませんが、若い人に響いたのは具体的な政策を訴えていた党だったのです。
ある29歳の新聞投稿は、高齢者票が多いのだから、高齢者を優遇する政策を表明すれば有利になることは「子どもでもわかる」中、「それに逆らうように」、社会保険料を負担する現役世代に対する政策を訴えた政党の存在を書いていました。「よくぞ言ってくれたと思った」との気持ちは積極的に選挙に参加した現役世代も多かっただろうと推測していました。
これまで若者は選挙に興味がないと思われていましたが、実は託する政策が見出だせていなかったからかもしれません。
「否定的な意見ばかり述べる人」への対処のセオリーは代替案の提案を求めることです。できない理由を見つけて停滞させるのではなく、できる方法を見つけて前に進めることが重要だからです。これがだめだからこちら、という選択をした大人たちを若者はどう見たでしょうか。YMCAも同様です。社会に対して提案していかなければなりません。
(総主事 佐竹博)