横浜・関内にあるYMCAには、藤沢・平塚市方面に居住する方で、YMCAの事業に参加する会員生徒が増え、1976年にはその数が300人を超えていました。横浜YMCAでは新しい構想として初めて横浜市を越え、神奈川県という広域での活動を視野に入れた事業展開を、JR東海道線藤沢駅から350メートルの藤沢市鵠沼石上に、藤沢YMCAを建設することになりました。
YMCAの運動を広く神奈川全域に広めことを目指し、1977年に藤沢教会で開かれた準備委員会には、YMCA会員の数人に加え、日本基督教団、カトリック、聖公会などの各派のキリスト教会から推薦された代表者が集まりました。「湘南と呼ばれるこの地域に、キリストの愛の教えに根差すYMCA の活動拠点を築こう」という理念のもと、「仕えられるものから仕えるものになろう」「共に生きる社会を目指そう」といった目標を掲げ、藤沢YMCA活動の活動が始まり嶋ました。
1977年6月18日に起工式が行われ、1978年3月4日に落成、献堂式では神奈川県知事が祝辞を述べました。プールには北YMCAに続いて田中忠雄画伯による「イエスのエルサレム入場」の画が描かれました。同月には開館記念プログラムとして4回にわたって「教育を考える」と題した講演会が開催され、上智大学学長・ヨゼフ・ピタウ氏。元文部大臣永井道男、立教大学教授室俊司氏、教育評論家で元鵠沼中学校校長杉山智雄氏が講演を行いました。
横浜市以外の拠点設置研究の結果、湘南の中心都市藤沢市に竣工した藤沢YMCA(1978年)