6月20日は「世界難民の日」です。
UNHCR・国連難民高等弁務官事務所の統計によると、世界人口の約1%が紛争や迫害、暴力等により難民・避難民として避難を余儀なくされているということです。
「世界難民の日」に合わせ、難民問題に目を向けて考える機会を持つため、6月11日に横浜YMCAグローバルセミナー「パレスチナ難民を考える」(国際事業委員会主催)を開催し、48名の参加者とともに難民問題について考える時間を持ちました。
講師にジャーナリスト・映画監督の古居みずえさんを招いて、パレスチナ難民問題の歴史的背景や難民として暮らす人びとの様子についてお話を伺いました。
古居みずえさんは1988年よりイスラエル占領地を訪れ、パレスチナ人による抵抗運動・インティファーダを取材され、パレスチナの人びと、特に女性や子どもたちに焦点をあて、取材活動を続けておられます。
今回のセミナーでは、パレスチナ・ガザ地区の一人の女性とその家族のエピソードを通して、パレスチナで難民として暮らしている人びとの現状を紹介しました。
ガザ地区では、長期間にわたる紛争状態と封鎖のため、食料、医薬品や燃料などの物資が不足し、電気、ガス、水道等のインフラに影響が出ています。さらに、シェルターや難民キャンプでの生活で移動が制限されているため、攻撃を受けても逃れる場所がありません。日々、恐怖と隣り合わせの生活であること、たとえ教育を受けても就職できず、現地の若者は将来への希望を失ってしまう深刻な現実があるといいます。
その一方で、困難な生活の中で頑張っているパレスチナの人びとの姿があります。古居さんが取材した女性は、たび重なる困難に対しても、自分の知恵を生かして家庭を支えていました。困難な状況にあるからこそ命の大切さを感じ、平和への思いが伝わってきます。
古居さんは現在の社会状況にも触れて、ウクライナ、シリア、ミャンマー、アフガニスタンなど、世界中で困難な状況下にある人びとがたくさんおり、解決しなければならない人道的な課題が山積みであるとお話されました。
質疑応答では、古居さんがジャーナリストとしてパレスチナで取材した際の経験と想いや、パレスチナの人びとのために私たちに何ができるか等、たくさんの質問がありました。