学生YMCAとの出会い
横浜大空襲による私のアメリカに対する憎しみは、高校の先生(教会員)のバイブルクラスで聖書に触れたことで薄れてきました。私は、その高校で最初に英語研究会を作り、英語に傾倒していきました。
1951年に、大学の入学式で、聖書研究会とカトリック研究会、学生YMCAという YMCAのブースが三つ並んでいました。その時の受付は故宮﨑治朗さんで、学生YMCA以来、長年親交を深めました。指導牧師からは二つのことを教えていただき、今でも実行しています。その教えは「教会へ行きなさい」と「ボランティアの三原則」でした。三原則は1. 自らの意志で自主的に。2.相手の仕事・参加する仕事は必ず非営利の仕事。3.無報酬の三つでした。私は、姉の友人の勧めでルーテル教会に行き、祈りの大切さを学びました。青年が集うルーサーリーグでは、他大学の学生とマルティン・ルターについて学びを深めました。大学では理論経済を専攻し、ドイツ中世の経済の学びとしてルターの宗教改革を学びました。
横浜大空襲で私の家は全焼し、全財産を失っていたため、学費はアルバイトで支払いました。理論経済で教養を積み、次は英文科に進み、卒業後は日本IBMの試験を受けました。空襲でアメリカを憎んでいた私がアメリカの企業に就職することになりました。
(横浜YMCA元理事・常議員 茂木 雄)