2019年12月4日、アフガニスタンで医療活動、農業用用水路の建設などに30年以上尽力された中村哲さんが、ドライバーの方も含め、5人の現地スタッフとともに銃弾によって倒れられました。中村哲さんは九州大学YMCAのメンバーであり、現地代表を務められたペシャワール会の立ち上げの際にも福岡YMCAを事務局とし、YMCAと深く関わりのあった方です。
会を実施した17日は阪神淡路大震災から25年の日でありました。被災された方へ黙とうをもって開会しました。横浜YMCA会員、常議員、職員、ワイズメンズクラブ、九州大学YMCA OB、YMCAせとうち職員、学生YMCA職員など22名が参加してくださいました。
会では中村哲さんがアフガニスタンで活動するにいたった経緯をスライドで振り返り、ペシャワール会のDVD『アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和』を上映しました。また、ペシャワール会の事務局からお借りした展示資料と書籍の見本を参加者の皆さんにご覧いただきました。後半のシェアリングでは、ボランティアや国際協力のあり方についての意見、また学生時代の中村哲さんの姿なども語られました。
中村哲さんの著作や講演では、人道支援に対する冷静なまなざし、現地活動における長期的・広範囲な視野が感じられ、華美な修飾を除いた言葉で語られています。直接中村哲さんと関わっていた方々からは、「とても謙虚で大人しい方」「静かだが、よく人の話をきいていた」「大きなビジョンを持ち、緻密に実行する」とそのお人柄についてお聞きしました。
現地活動には想像の及ばない幾多の困難があり、日々まさに命がけでされていたのだと思います。しかし、中村哲さんのお人柄や精神、哲学、自然や人間への畏敬の念は、「国際協力」という言葉のもつイメージと少し違うように感じられます。人生でどのような出会いがあるかだれにも分かりませんが、導かれた場所で、一所懸命にやればいいと教えてくださっているようにも思います。
今回、ご参加くださり、共に学び共有してくださった皆様にこの場を借りて感謝いたします。今後も横浜YMCAは中村哲さんの活動に学び、伝えてまいりたいと思います。
(本部事務局 坂地みずき)