2016年5月23日月曜日

熊本地震緊急支援活動報告Vol.11

第5次から6次派遣スタッフ(益城町総合体育館避難所)と長期派遣スタッフ(阿蘇地域)の支援活動

 5月12日から派遣された植松スタッフ(YMCA三浦ふれあいの村)、関口スタッフ(横浜中央YMCAウエルネス)は、18日までの期間中、益城町総合体育館の避難所において、主にボランティアの調整やボランティアセンターとの調整役(関口スタッフ)、介護、衛生関連、派遣介護士会対応(植松スタッフ)の役割を担いました。
 避難所での生活も1カ月を過ぎたこの期間は、避難所でのゴミや各々の避難スペースの清掃など高齢者がなかなか一人ではできにくいことにも対応していきました。町役場も昨日しはじめ、住民票などのサービスもはじまり、21日からは罹災証明書の発行仮設住宅の受付もはじまることになりました。メインアリーナとサブアリーナの清掃と畳や段ボールベッドの搬入が行われており、メインアリーナには、紙管のパイプのパテーション作りが行われ、熊本YMCA学院専門学校建築学科の学生40名が中心に進めました。
18日からは、第6次派遣スタッフ山中スタッフ(横浜北YMCA館長)、深澤スタッフ(鶴見中央YMCA館長)が引き継いでいます、山中スタッフは主にボランティアの調整や避難者ケア、深澤スタッフは介護班にて高齢者の様子を巡回して確認しています。賛育会の支援チームとともに、高齢者支援の質を高めるためのシステム化に取り組んでいます。山中スタッフは、「住民の方との対話が大切。生活に直接関わることは、とくに丁寧な説明が必要と思います」と話しています。いよいよ23日にはアリーナーへの場所決めと移動が開始となる予定です。

◎1日で約1万4千枚の瓦おろしと瓦礫撤去をボランティアとともに
 阿蘇YMCAを中心に支援活動を進めている小林スタッフは、5月21日、朝早くから作業現場となる作業場を下見することから1日がはじまりました。
 この日は、京都府災害ボランティアグループが阿蘇YMCAに到着。オリエンテーション後に、グループに分かれ、山の会リーダーと出発しました。本日は、山の会8名がチームリーダーとして、3チームに分かれて屋根瓦の撤去とサッシやトタンの取り外しを行いました。Aチーム10名は、車帰地区の納屋と住宅の瓦下ろしを。家族と親類の方とともに取り組みました。Bチーム10名は、平家住宅の瓦下ろしとトタン剥がしでした。ご家族の方は、作業が進むごとに自宅の写真を撮っていて、その表情がとても寂しそうでした。Cチーム20名は、豚舎の瓦下ろしと瓦礫撤去でした。このニーズは、昨夜、的石地区の区長さんから連絡が入り、一度現場を見てほしいと依頼されました。そこで今朝に伺うと、ご高齢のご主人が豚舎を案内してくだり、約10000枚の瓦のある豚舎解体には補助金が出ず、ご主人は無理なら仕方ないが…と諦めきれない様子でした。山の会のリーダーにも現場確認をお願いしたところ「やりましょう」と即決でした。早速、ご主人に伝えると満面の笑みで「良かった!助かります!」と喜んでくださいました。終了後、どちらのご家族も「本当にありがとうございました」と喜んでいただき、ボランティアのみなさんも心から喜んでいました。
 阿蘇地域には、本当はボランティアにお願いしたいけど、もっと大変な家もあるから、自分のところは後で良いという方々が多いようです。毎日毎日壊れてしまった我が家を目の前に何もできないでいる事も辛いと思います。壊しても瓦礫を片付けられないのはもっと辛いと思います。もっと多くのボランティアが集まればそんな思いから解放される方も増えるのではないでしょうか。
 車帰地区で瓦礫撤去を継続して取り組んでいる家屋には、ステートストリート銀行福岡の9名の方が頑張ってくれました。個人宅の室内の片付けの新しいニーズには,日帰りボランティアの60才代のご夫婦が終日取り組んでくださいました。
 瓦下ろし等は、今日だけでは難しいと思っていましたが、山の会の素晴らしいリーダーシップのおかげで、全て完了する事ができました。おおよそですが下ろした瓦の枚数は、14000枚くらいはあったと思います。瓦礫の受け入れ場所でのチェックが日々厳しくなってきています。震災ゴミではない便乗ゴミが持ち込まれているようです。考えさせられることが増えてきています。(小林スタッフ報告抜粋)
5月24日からは、第7次として北田スタッフ(横浜中央YMCA館長)、松本スタッフ(YMCAつるみ保育園スタッフ)の2名が派遣される予定です。
(横浜YMCA 広報センター 池田直子)