2024年9月17日火曜日

第36回 東日本ユースボランティア リーダーズフォーラム

9月6日(金)から8日(日)の二泊三日、東京YMCA山中湖センターにて『第36回 東日本ユースボランティア リーダーズフォーラム』が実施されました。

このフォーラムでは東日本区のYMCAユースリーダーたちが集います。今年のフォーラムには北海道、盛岡、仙台、とちぎ、ぐんま、埼玉、千葉、東京、山梨、横浜YMCAから23名のユースリーダーが参加をしました。

支えてくださるのは多くのワイズメンズクラブの皆様です。ワイズメンズクラブとは、YMCAが行う地域における青少年の健全な育成プラグラムを支援するために、1922年に創立されたクラブです。今回のフォーラムでは参加費の援助をしてくださったり、リーダーたちのために昼食を用意してくださいました。


ほとんどが初対面同士のリーダーたちですが、アイスブレイクやグループでの活動を通して、「わたしたちにとっての みつかる つながる よくなっていく」をテーマに3日間、話し合いの時間を設けました。


今回は、1日目に基調講演として熊本YMCA 伊藤 眞太郎氏より不登校児童・生徒支援プログラム「ぷらっとほーむ」の取り組みについてお話をいただきました。


不登校児童・生徒については、社会的な課題にもなっており、日本の現状を知り、SDGsにも掲げられている「誰1人取り残さない社会の実現」のために、私たちがどのように取り組んでいくのかを考える時間となりました。


2日目はグループでの活動をメインにし、基調講演を受けての話し合いや山中湖でのビッグカヌーを行い、1人ひとりが本音で意見を出すことが出来るよう、過ごしました。

最終日には、グループでの発表を行い、寸劇を混ぜたり、1人ひとりが感じたことをストレートに伝えるなど、それぞれの色が出ており、リーダーたちの可能性を感じることが出来ました。

この3日間で学んだこと、感じたこと、お互いの熱量を、それぞれのYMCAに持ち帰り、「より良い社会の実現」に向けて、今後の活動につなげていきます。


横浜中央YMCA 柳田 誠也

2024年9月10日火曜日

グローバルスタディーツアーinタイ 2024summer~子どもたちとの出会いから~

2024年8月7日から19日の日程で、グローバルスタディーツアーinタイ2024summerが実施されました。このツアーは横浜YMCAがバンコクYMCAと協働で行っている児童保護プロジェクトの地であるYMCAパヤオセンターやチェンマイYMCAを訪れ、社会問題や環境問題について学ぶものです。

今回のツアーは高校生4名、大学生6名、社会人1名の計11名の参加者と2名の引率で行われました。学びだけではなく参加者同士の関わり、繋がりができるのもこのツアーの魅力だと思います。


8月のタイは雨季でツアー中何度も大雨が降りましたが、ツアー開始となる出発日には、日本でも大雨と雷があり、それにより飛行機が2時間遅延するという幕開けでした。

無事にタイに到着し、初日はタイ、ミャンマー、ラオスの国境付近を訪れました。島国である日本で暮らしていると国境を意識することはあまりありませんが、川一つで違う国に行けるということ、それによる問題などを実際に自分たちの目で見る貴重な機会になりました。


   

2日目からは国際・地域協力募金の使途先であるYMCAパヤオセンターに滞在し、センターで暮らす子どもたちと様々なプログラムを通して交流をしました。

まず、パヤオセンターについてや人身売買、子どもの性的搾取についてのお話が所長のノイさんからあり、学びの時間を持ちました。パヤオセンターが設立された背景、センターで暮らす子どもたちはどのような子たちなのか、参加者はみんな真剣な表情で話を聞いていました。


その他のプログラムでは、ウェルカムパーティー、田んぼでのカニ取りやプール、タイのお菓子作り体験、タイ語・日本語交流、タイのお祭りといった伝統行事、レクリエーション、食事、スポーツ交流、フェアウェルパーティーなど、どのプログラムも子どもたちと参加者の笑顔が輝く時間でした。言葉が通じなくて、喜びや楽しさを共有できる、そんな経験をたくさんすることができました。

 

 

パヤオセンター周辺の村で、実際に日本への出稼ぎ経験のある女性に話を聴きに行区機会もありました。女性の話を聞き、日本で人身売買が行われているということ、それが東京や千葉など自分たちにとって身近な場所で行われているということに他人事ではなく自分事として感じる貴重な経験でした。

また、参加者の多くが楽しみにしていた山岳少数民族のアカ族の村を訪問し、ホームステイをさせていただきました。パヤオセンターで暮らす子どもたちは現在、アカ族とモン族の子がほとんどで、訪れた村ではセンターで暮らす子どもたちの実家もありました。村の人たちは温かく私たちを迎え入れてくださり、アカ族ならではの生活を体験することができました。いっぽう、「どうしてあんなに温かい家族なのにあの子はセンターに来ているんだろう。」といった疑問も参加者の中で生まれ、表面上だけではわからない、もっと深いところに様々な問題がある事を実感する時間でもありました。



パヤオセンターでの1週間を過ごした後、車で3時間のチェンマイへ移動しました。

チェンマイYMCAでは環境問題や第二次世界大戦時の日本のアジア侵略の歴史について学び、環境の為に自分たちにできる事を考え、そして歴史の面においても日本とタイの関係について学ぶきっかけとなりました。


 

ツアーへの参加を通して、ユースは子どもたちや村の人たちとの出会いから多くのことを学び、気づきがありました。社会で起きていることを自分事としてとらえ、これから社会をよくしていくために、一人ひとりが自分にできることに取り組んで行ってほしいと願っています。

横浜YMCAはこれからもYMCAパヤオセンターへの支援を続けていきます。その中でこのツアーに参加してパヤオセンターを知り、支援していきたいと思う人がひとりでも増えることを願っています。


ツアー実施にあたり多くの支えがあったことに心から感謝いたします。

(引率 油井)


2024年9月2日月曜日

140 YEARS OF HISTORY Vol.6 YMCA運動の活発化(1902年~) 

日本における近代化の歩みが1900年以降の産業資本の確立とともにあった時期に、YMCAは全国的・世界的運動へと動き出していきました。1901年7月には、東京・大阪・横浜・神戸の4つの青年会が市基督教青年会同盟という連合体を作りました。この時にはすでに学生基督青年会(学生YMCA)同盟が結成されていました。この学生YMCA同盟が最初に全国的なYMCA運動を活発に展開しはじめていました。

1902年には法曹界のリーダーで同時に熱心なキリスト者であった渡邊暢氏(横浜地方裁判所所長)が当時神奈川典獄として北海道から赴任してきた有馬四郎助氏の熱心な薦めによってYMCAの会長に選任されました。渡邊会長を中心に横浜YMCAの組織と事業の再建が進められました。この年に私立横浜英語学校の経営が困難となっており、これをYMCAが引き継ぐことを役員会にて諮り、積極的な支持のもと、YMCA付設の英語学校としました。

渡邊会長の東京転出の後任として有馬四郎助氏が選任されました。渡邊会長が進めた組織と施設の整備を受け、青年会事業の発展と拡充に力を尽くしました。


1910年代の英語学校の授業。青年への教育事業が始まった。


歴史との対話

来る10月18日に横浜YMCAは140周年を迎えます。10月5日には、日本キリスト教会横浜海岸教会(当時海岸教会)にて記念礼拝を行い、会員の皆さまと140年続けてこられた感謝の祈りを共にしたいと思っています。その後は、職員も含めた会員の皆さまの交流の機会をささやかながら設けます。詳細は1面をご参照ください。会員だった方やそのご家族、元職員やそのご家族、若者からご高齢の方まで、特に100年以上前のYMCAを支えられた方々につながりのある方(ご親族ほか)など多くの時代や世代を超えた交流の場としたく予定しています。ぜひ多くの方にお越しいただければ幸いです。

横浜YMCAの歴史上の記録は、関東大震災、横浜大空襲、GHQによる会館接収などにより1945年以前の創立から約60年間の歴史的資料がわずかしか残っていません。今YMCAにあるものも、元職員のご家族や会員からご提供いただいたものがほとんどです。皆さまからの歴史的資料のご提供をいつでもお受けしています。過去に横浜YMCAに関わっていた方々のご家族の方をご存じでしたら、ぜひご紹介ください。横浜YMCAの歩みに新資料が発掘されることを願っています。

横浜YMCA125年史に、著者の山根誠之さん(第10代総主事)はE・H・カーの言葉を用いて「歴史とは、現在と過去との対話である」「過去を見る眼が新しくならないかぎり、未来への展望をもつことはできない」を紹介され、「125年前にYMCAを設立した青年たちと現在の私たちが対話をしたら何が生まれてくるのだろうか」と締めくくられています。140年を迎えるにあたり、歴史から学び、現代のYMCAについて、150年を見つめつつ、歴史と対話したいのです。

(総主事 佐竹 博)