2024年2月1日木曜日

体験を平和につなぐ Vol.31

 「でも、とにかく」

 1998年3月に「21世紀キリスト教社会福祉協議会発会式」にて、「マザーテレサから学んだもの~21世紀を前にして~」の題でカトリックの粕谷甲一司祭の講演を伺いました。そこで「ANY WAY(でも とにかく)」という幾つかの「ルール」を学びました。

 『アッシジのフランシスコの平和の祈り』は、「神よ、わたくしを あなたの平和のために 用いてください」と祈り、「憎しみのあるところに愛を」「争いのあるところに和解を」「分裂のあるところに一致を」「疑いのあるところに真実を」「絶望のあるところに希望を」「悲しみのあるところに喜びを」「暗闇のあるところに光を」もたらすことができますように助け導いてくださいと続きます。

 それぞれに「でも とにかく」と前置きをつけて「でも とにかく 彼らを愛しなさい」と祈ってみると、何か励まされ、「力」づけられる思いがするのではないでしょうか。「でも とにかく」というキーワードは、「とにかくやってごらんなさい」という励ましのニュアンスがあるように思います。

 私たちの国は、明治の以降、アジアの諸国の人びとに多くの罪を重ね、苦しみと悲しみ、そして痛みを負わせてきたことを率直に認めなければなりません。この罪責の自覚を為すことができますようにと思います。一人ひとりが変えられていくとき「平和な小社会」が形成されていくと思います。皆さんの周囲から「でも とにかく」という仲間や社会を創っていきましょう。

(元横浜YMCA常議員・元大和YMCA運営委員長 髙橋信夫)