「homemaker」という英単語が性別の考え方や、性別役割分業意識の変化に基づき時代とともに「housewife」という単語から置き換わっているという。日本語では「主夫」という表現もみられるようになってきたが、性別の特定は残ったままだ。
日本キリスト教社会福祉学会がオンラインで開催された。その中の奥田知志さん(認定NPO法人抱樸理事長・東八幡キリスト教会牧師)の講演を受けて、私は、この「ハウスレス」と「ホームレス」について考えることが増えた。
「house」と「home」は似たようで持つ意味や、一緒に用いる単語などから違う意味合いを示すことがある。一般的に「ハウス」は物理的な住まいや建物、「ホーム」には精神的な面で自分の場所のイメージをも含む。スポーツゲームで使用する「ホームとアウェー」から派生し、考え方の相違があり少数派の際になど「アウェー感」などと表現することも見聞きする。
どうやら、精神的な居場所のような所に「ホーム」は用いられるようだ。とすれば、物理的な住まいを持たない人は「ハウスレス」であって、「ホームレス」ではないし、ハウスレスをホームレスにしない取り組みが必要だ。自らの属するコミュニティーの存在、受け入れてくれる仲間たちとの交流、社会との接点を持つ「ホーム」がある人は幸いだ。
ハウス提供は、今の横浜YMCAの活動にはないが、ホームの提供や、その支援はできる。WHO(世界保健機構)は身体的・精神的・社会的な健康を提唱している。社会的なつながりを構築し、支えあうポジティブネットのある豊かな社会を創ることは、「ホーム」づくりであり、社会的健康を促進することである。
(総主事 佐竹 博)