「青年の時代は『生きがい』の発見こそ自立への道である」32年前に出版されたある教育者のメッセージ集*「青年」という表題の一節である。著者は「生きがいの発見」とは「人間関係から他者への配慮が生まれ人生の別な局面を見出すことで、生き甲斐を持つことができるようになる。」と解説している。
全国YMCAのユースが、コロナ禍にある子どもたちや、家庭、地域に向け動画などの発信を始めた。デジタルネイティブと呼ばれる世代は、新機種への対応や新機能の習熟も早い。インターネットを通じ画面上で初めて顔を合わせた各地のリーダー同士が、情報交換を行い、あるアイデアがあっという間に発信される。それが新しい着想のもと刺激を受けて、各YMCAで洗練されたものがインターネットの世界に次々に送り出され多くの子どもや家庭を励ましている。
画面を通じて初めて会った者同士が心を合わせ、良い方向に一致して話し合いを進めていくことは、ICTテクノロジーの進化によるものが大きいことはもちろんだが、YMCAのユースであることが共通にあるからだと強く感じる。各地のYMCAが同じ価値観でユースに関わっている証である。
YMCAのブランディングの取り組み以降は、さらにその領域に注力している。今、YMCAのユースはWeb上のつながりにより全国各地、世界ともつながりを実現させ積極的な行動が育まれている。
YMCA活動が、青春の一時期の生きがいの発見の場であることを願う。
※出典「いまの時を生かす 若い人たちへのメッセージ」石田昭義(ヨルダン社)
(横浜YMCA総主事 佐竹 博)