2019年9月7日土曜日

しわを合わせて

おばあちゃんのかおには
しわがいっぱいある
かぞえたらふといのが12本
おばあちゃんのかおを
かみにかいた
しわを2本すくなくかいたら
おばあちゃんは
とてもうれしそうにわらった
そしたらもっとしわがふえた
でも ぼくはだまっていた
(いしいさとし 6歳)


敬老の日に、保育園の子どもたちが高齢の方と握手をした時に、子どもたちが、思いがけずおばあちゃんの手のしわを触り数え始めた。

なんでしわがあるのと聞くと、笑いながら木の年輪みたいなものだとの答えに、不思議そうにしながらもいつまでも手を放さず、 しわで遊んでいた。おばあちゃんは「みんなの手は、暖かく柔らかくて気持ちがいいね」と笑顔で言うと、子どもたちもうれしそうにしていたのをこの詩を読んで思い出した。何とも言えない平和な時間を感じた。両手のしわを合わせて幸せとも言う。そんな時間に感じた。

今年4月から横浜YMCAが運営する14番目の保育園である大和YMCA保育園は、YMCAの高齢者施設に併設された保育園として注目されている。101歳の方が0歳や1歳の子を抱く姿がブログで紹介され、100歳を超える命のつながりに驚く。

開園から5カ月が経ち、子どもたちの歌のプレゼントに「元気が出るね」と笑顔と涙が出る方や『こんにちは赤ちゃん』を返礼で歌う方もおられる。毎月の避難訓練も一緒に行っている。夏休みには小学生やボランティア、保護者など多世代の交流が広がる。幼な子と高齢者、一人ひとりの命を感じる互いの手のしわを合わせ、喜びに満ちた幸せを感じる場を大切にしたい。

(横浜YMCA総主事 田口 努)