2019年1月10日木曜日

平和とスポーツ

スピリット(精神)マインド(知性)・ボディ(身体)。

YMCAのロゴにある三角形は、この3つのバランスがとれた人間的成長の場がYMCAであるという証で健康の基礎と考えている。現在は、この三角と翼を組み合わせたロゴとなっている。翼は平和の鳩の翼を意味し、人間的成長を遂げながら他者の喜びを自分の喜びとする平和を創り出す願いが込められている。

この三角形を考案した米国の国際YMCAトレーニングスクール(現スプリングフィールド大学)のギューリック主事は、1891年に冬でも室内でできるスポーツを考案してほしいと後輩のYMCA体育指導者ネイスミスに伝え誕生したのがバスケットボールだ。その後、バレーボールもYMCAから生まれた。

日本人の健康づくりにスポーツを生かそうと願って、この学校に入学した大森兵蔵は、卒業後に日本で最初のYMCA体育主事として東京YMCAで働き、バスケットボール、バレーボールを日本に初めて紹介した。大森兵蔵は、スポーツを通して人間的成長と平和を創り出す人を育てることを願い日本体育協会の設立などに関わり、日本がオリンピックに初参加した1912年のストックホルム大会の監督として参加した。

横浜YMCA体育主事の広田兼敏も軍隊式の体操から市民が楽しみ健康づくりにつながり、フェアプレーを通した人間的成長を願い、バドミントンを日本に最初に紹介し普及に努め、1936年のベルリンオリンピックに役員として参加した。

新春から始まるNHK大河ドラマ「いだてん」で大森兵蔵が登場する。人間的成長と平和の思いが伝わりますように。

(横浜YMCA総主事 田口 努)