2018年11月10日土曜日

命を守られて

喜ぶ人がいたならば
それを自分の喜びに
あたりまえのこと、
でも大切なこと
こころ痛める友だちと
共に悩んで慰める
あたりまえのこと
でも大切なこと(中略)
与えられた賜物を
生かして人に仕えてく
あたりまえのこと
でも、大切なこと
(作詞 川上 盾)


作詞した川上さんは、アースデイに、子どもたちとゴミを拾いながら、この詞が「降りてきた」という。牧師である川上さんは、あたりまえだけど大切なことと聖書のメッセージを組み合わせたら、この詞が生まれたそうだ。

ゴミ拾いやトイレ掃除というあたりまえのこと、でも大切なこととして、自分の会社や学校などのごみを拾い、次に来る人に喜んでもらおうとする活動が、自分の会社の近隣の街角をつないで、美しい港町横浜をつくる運動に広がっている。ゴミを拾うあたり前のことが、地域の中で新しいつながりを生み出し、自分の街を愛する心を育てている。

先日、電車の優先シートの意味を訪ねる幼い女の子に「あなたが、お腹にいた時、随分、知らない方に席を譲ってもらって助かったのよ。あなたとお母さんの命をみんなが守ってくれたのよ。あなたも席を譲ってあげてね」とお母さんが語ると、神妙な顔でうなずいていた。

席を譲ることが命を守ると感じたこの女の子は、席を譲るたびに、お母さんのお腹にいた時から多くの人に大切にされてきたことを想い出すだろう。

ゴミを拾う、席を譲るあたりまえの小さなことだけど、地球を守り、命を守る大切なことにつながっている。その心を育くんでいこう。

(横浜YMCA総主事 田口 努)