なりたい
あいつが来たら突っ立って
あいつの前にただ突っ立って
黙って山を眺めてやる
カラダはチビで弱くても
ココロは大きく強くなれる
ココロの巨人の相手は自分
自分に負けない巨人に
なりたい
わかってる?
あんたのなかに
あたしがいるって
あたしにくちをきかないのは
あたしをみないで
そっぽむくのは
あたしをごみみたいに
おもっているのは
あんたのなかに
あたしがいるから…
(作詞 谷川俊太郎)
詩人の谷川さんと子どもたちが詩を通じて、いじめを見つめた「いじめっこいじめられっこ」(童心社)という3詩集の巻頭詩「おとなしい巨人」と、多くの子どもたちの詩の合間にある「あんたのなかのあたし」である。編集者田中和夫さんが「詩の授業」で各地の学校を訪問した際、子どもたちから凄まじいいじめの話があり、その子どもたちの心の内を詩にしていく活動をはじめ、谷川さんや教育関係者も賛同して「いじめさよなら会議」ができた。
心の思いを詩にしようと呼びかけ、次の詩集を出していく運動になっている。子どもの詩には、いじめられている子、いじめている子、傍観する子などの心の声がつまっている。ある子どもの詩には「ブツブツ ボソボソ クスクス かげで言ったり 言われたり 心の中にいる もう一人の自分がこわい」とある。
2月の「いじめをなくそうピンクシャツデー」では、いじめを生み出す心と向き合い、いじめを自分事として捉え、いじめを傍観しない勇気と共感の輪を広げていきたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)