2016年12月14日水曜日

日本が身近になりました

横浜YMCA地域交流事業「Home Visit Program (日本のご家庭訪問プログラム) 」実施のご報告
 横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 12月3日にネパール2、ガーナ1、トルコ3、アフガニスタン1(社会基盤整備における事業管理)、インド1(Friendship 慶応2016博士課程)、インドネシア1(機械・製造工学 博士課程)、ミャンマー1(電気・電子工学博士)の10名で一般のご家庭を訪問するホームビジットプログラムを行いました。
 今回の研修員たちはYMCAのプログラムにも何度も参加していて様々なところへ出かけていましたが、一般のご家庭に自分たちだけで訪問するのは初めての体験で、みな緊張した様子で集合場所へ現れました。
 中でもネパールの研修員はスーツ、民族衣装の帽子をかぶって現れ、他の研修員たちから「ミスタープレジデント!」と呼ばれていました。
最初に一般家庭での過ごし方や名前の呼び方などについて、簡単に説明しました。訪問する家庭のご家族の呼び名を何度も確認して、ちゃんと挨拶できるようにメモをとる姿も見られました。
ホームビジット先のご家族が迎えに来てくれる頃には緊張はピークに達し、言葉数が少なくなり表情も硬くなっていました。トルコの研修員は極度の緊張から席には座らず、ずっと部屋を歩き回っていました。そのうち「日本人の家に行った時の会話を練習しよう」と言って、2人で片言の英語を話すホストファミリーと片言の日本語で答える研修員の役に分かれて意味の良くわからない練習を大真面目に始めるほどでした。
 程なくしてホストファミリーの皆さんが順番にお迎えに来てくださり、お互い顔を合わせると研修員たちの緊張した表情が一気に緩み、元気に「行ってきます!」と部屋を出て行きました。
 夕方、戻ってきた研修員から話を聞くと、ガーナの研修員は葉山へ車で出かけ、日本料理を食べたり、庭を見学したり日本文化について色々と話ができて、とても有意義で楽しかったと話していました。
2人で訪問したトルコの研修員はホストファミリーがムスリムの食事や文化についてとても詳しく、部屋や食事の準備をしてくれていたことに感激していました。日本の家庭はすべてが珍しく、トイレや食器棚まで詳しく写真を撮らせてもらっていました。侍の格好をしたり、習字で家族の名前を書いたりと短いホームビジットの時間に色々な体験が出来たと話していました。
江の島の海岸を訪れたインドとインドネシアの研修員は海辺を歩いてとてもリフレッシュできたと話していました。江ノ電の中からアニメで有名な場所が見えたときにはとても感動したと話していました。
 女性2人のトルコとミャンマーの研修員は、やはりお話が大好きで、「話しても、話しても、話題が尽きなかった!」と笑顔で戻ってきました。着物を着付けてもらってお茶体験をさせてもらったと喜んでいました。用意していただいた食事も日本的な器に盛り付けてあり、美しくみんな美味しかったと興奮がなかなか収まらない様子でした。
ネパールの研修員2人は緊張した様子で出発した朝とは対照的に、帰ってきたときにはすっかりホストファミリーの皆さんと打ち解け、リラックスしていました。初めて食べたお餅やおでん、日本酒や焼酎はどれも美味しく、忘れられない味だと話していました。家族のほかに友人や以前ホームビジットで訪れた長期の研修員も加わって日本の文化や経済、日常生活のことなど話しあっという間に時間が過ぎたと話していました。
 アフガニスタンの研修員は先日開催した“お国紹介プログラム”に参加してくれたご家族と一緒に、近所の小学校のお祭りに参加しました。小学校ではクラスの発表を見学し、”お国紹介プログラム“に参加してくれた子ども達と再会して一緒に食事を食べたと話していました。日本の小学校を訪れたのは初めてだった研修員は、クラスに設置されているお掃除箱に驚いたと話していました。生徒が自分たちでクラスや学校を掃除することが教育の1つだと感動していました。撮った写真をアフガニスタンでみんなに見せて、是非まねをしたいと話していました。
短い滞在時間ではありましたが、実際に日本の家庭の中や家族の生活の様子を見たり聞いたりすることが出来、研修員たちにとっては日本文化を知る良い機会となったようです。
 YMCAプログラムではこれからも様々な体験や地域の皆様との交流を通して日本文化を学ぶ機会をつくっていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)